司法書士の過去問
平成28年度
午後の部 問69
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問題
平成28年度 司法書士試験 午後の部 問69 (訂正依頼・報告はこちら)
一般社団法人の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人であるときは、その設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、設立時理事及び設立時監事の設立手続の調査が終了した日又は設立時社員が定めた日のいずれか遅い日から2週間以内にしなければならない。
イ 設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人でないときは、その設立の登記の申請書には、設立時理事が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
ウ 一般社団法人が貸借対照表の内容である情報につき不特定多数の者が提供を受けるために必要な事項を登記する場合には、その申請書には、当該事項について決議した社員総会の議事録を添付しなければならない。
エ 一般社団法人が公益認定を受け公益社団法人となった後に公益認定を取り消されたときは、当該公益社団法人は、遅滞なく、当該公益社団法人の主たる事務所及び従たる事務所を管轄する登記所に当該公益社団法人の名称の変更の登記を申請しなければならない。
オ 一般社団法人は、基金を引き受ける者の募集をすることができる旨を定款に定めても、これを登記することはできない。
ア 設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人であるときは、その設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、設立時理事及び設立時監事の設立手続の調査が終了した日又は設立時社員が定めた日のいずれか遅い日から2週間以内にしなければならない。
イ 設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人でないときは、その設立の登記の申請書には、設立時理事が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
ウ 一般社団法人が貸借対照表の内容である情報につき不特定多数の者が提供を受けるために必要な事項を登記する場合には、その申請書には、当該事項について決議した社員総会の議事録を添付しなければならない。
エ 一般社団法人が公益認定を受け公益社団法人となった後に公益認定を取り消されたときは、当該公益社団法人は、遅滞なく、当該公益社団法人の主たる事務所及び従たる事務所を管轄する登記所に当該公益社団法人の名称の変更の登記を申請しなければならない。
オ 一般社団法人は、基金を引き受ける者の募集をすることができる旨を定款に定めても、これを登記することはできない。
- アエ
- アオ
- イウ
- イオ
- ウエ
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この過去問の解説 (3件)
01
誤っている選択肢はウとエなので、5が正解です。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 一般社団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、設立理事(設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、設立時理事及び設立時監事)による設立手続調査が終了した日、設立時社員が定めた日のいづれか遅い日から2週間以内にしなければなりません(法人法20条1項、301条1項参照)。従って、本選択肢は正しいです。
イ. 設立の登記を申請するにあたっては、設立時理事(設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合にあっては、設立時代表理事)の就任承諾書についての印鑑証明書を添付しなければなりません(商業登記規則61条2項、3項参照)。従って、本選択肢は正しいです。
ウ. インターネット上の公開については、一般社団法人の代表理事による業務の決定として決定すれば足りるとされ、当該登記申請に当たっては、委任状以外の添付書面は要しません。従って、本選択肢は誤りです。
エ. 行政庁は、公益認定の取消しを行ったときは、遅滞なく、当該公益法人の主たる事務所及び従たる事務所の管轄登記所に当該公益法人の名称の変更の登記を嘱託しなければなりません(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律29条6項参照)。従って、本選択肢は誤りです。
オ. 一般社団法人は、基金を引き受ける者の募集をすることができる旨を定款で定めることができます。しかし、基金についての事項は登記事項ではありません(法人法313条、301条2項参照)。従って、本選択肢は正しいです。
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02
正解 5
ア 正しい。
設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合には、その設立の登記は、主たる事務所の所在地において、①設立時理事及び設立時監事の設立手続の調査が終了した日又は②設立時社員が定めた日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければなりません(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律301条1項)。
イ 正しい。
理事会を置かない一般社団法人を設立する場合、その設立の登記の申請書には、設立時理事に係る就任承諾書に押印した印鑑につき印鑑証明書を添付しなければなりません。
ウ 誤り。
一般社団法人は、株式会社と同じように、貸借対照表に係る情報につき不特定多数の者が提供を受けるために必要な事項を定めたうえで登記することができます。
もっとも、必要な事項について、社員総会で決定する必要はないため、社員総会の議事録を添付する必要はありません。
エ 誤り。
行政庁は、公益社団法人の公益認定を取消しをしたときは、遅滞なく、当該公益法人の主たる事務所及び従たる事務所を管轄する登記所に当該公益法人の名称の変更の登記を嘱託することとされており(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律29条6項)、当該公益社団法人が変更登記の申請をするわけではありません。
オ 正しい。
基金を引き受ける者の募集をすることができる旨の定款の定めは、一般社団法人において登記事項ではありません(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律301条2項)。
よって、誤っている肢はウとエとなり、5が正解となります。
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03
正解は5です。
ア…正しいです。監事設置一般社団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、➀設立時理事および設立時監事が、設立時手続が定款および法令に違反していないことの調査の終了日、もしくは②設立時社員が定めた日、のいずれか遅い日から二週間以内にしなければなりません(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、一般法人法)309条、20条)。
イ…正しいです。一般社団法人の設立の登記には、設立時理事が就任を承諾したことを証する書面の添付が必要です(一般法人法318条2項4号)。一般社団法人における理事は、株式会社における取締役に相当し、一般社団法人の設立時役員の就任の登記については商業登記規則が準用されるので(一般社団法人等登記規則3条)、理事会設置一般社団法人でない一般社団法人は、代表理事以外の理事の就任承諾書に印鑑証明書が必要となります(商業登記規則61条7項)。
ウ…誤りです。一般社団法人は、定時社員総会の終結後、遅滞なく貸借対照表等を公告しなければなりません(一般法人法128条)。しかし、公告の内容について社員総会の決議を得る必要はありませんので、社員総会議事録も不要です。
エ…誤りです。一般社団法人が公益認定を受けたときには、名称中の「一般社団法人」を「公益社団法人」とする旨の定款の変更をしたものとみなされ、当該社団法人が、名称の変更の登記を申請しなければなりません(公益社団法人及び公益財団法人等の認定等に関する法律(以下、公益認定法)9条)。しかし、公益認定を取り消されたときには、名称を「一般社団法人」に戻す旨の変更がされたものとみなされますが、その登記は、行政庁が、当該社団法人の主たる事務所を管轄する登記所に嘱託して行います(公益認定法29条5項、6項)。
オ…正しいです。一般社団法人は、定款で定めれば、基金を引き受ける者の募集をすることができます(一般法人法131条)。しかし、基金を引き受ける者を募集できる旨は、登記事項ではありません。
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