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司法書士の過去問 平成29年度 午前の部 問1

問題

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次の文章は、職業選択の自由に対する規制の合憲性判断の手法についての文章である。(   )の中に適切な語句を挿入して文章を完成させた場合に、( ① )から( ③ )までに入る語句の組合せとして最も適切なものは、後記1から5までのうち、どれか。

職業選択の自由に対する規制については、国民の生命・健康に対する危険を防止又は除去若しくは緩和するための(   )目的規制と社会公共の便宜を促進し社会的・経済的弱者を保護するための、(   )目的規制に区別し、( ① )目的規制の場合には(   )目的規制の場合よりも規制立法の合憲性を厳格に審査すべきであるとの考え方がある。
この考え方に対しては、例えば、(   )目的規制と(   )目的規制の両面の要素を有する場合があることや、公衆浴場の適正配置規制に関する判例のように従来は( ② )目的規制と捉えられたものが事情の変化によって(   )目的規制と解されるようになる場合があることなど、(   )目的規制か(   )目的規制かの区別は相対的であるとの指摘があるほか、判例の中にも、酒類販売業の免許制について、(   )目的規制か(   )目的規制かを明らかにすることなく、租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという財政目的による規制であるとした上、( ③ )ものがある。
   1 .
①積極 ②積極 ③その必要性と合理性についての立法府の判断が著しく不合理でないかの検討が必要であるとした
   2 .
①積極 ②積極 ③より緩やかな規制手段で同じ目的を達成することができるかの検討が必要であるとした
   3 .
①消極 ②積極 ③より緩やかな規制手段で同じ目的を達成することができるかの検討が必要であるとした
   4 .
①消極 ②消極 ③その必要性と合理性についての立法府の判断が著しく不合理でないかの検討が必要であるとした
   5 .
①消極 ②消極 ③より緩やかな規制手段で同じ目的を達成することができるかの検討が必要であるとした
( 平成29年度 司法書士試験 午前の部 問1 )
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この過去問の解説 (3件)

14
正解は 4です。


( ① )の解説


職業選択の自由に対する規制については、国民の生命・健康に対する危険を防止又は除去し若しくは緩和するための消極的目的規制と、社会公共の便宜を促進し社会的経済的弱者を保護するための積極的目的規制の区別する考えがあります。この考え方によれば、消極目的の規制の場合には、積極目的の規制よりも、規制立法の合憲性を厳格に審査すべきとされています。従って、( ① )には「消極」が入ります。


( ② )の解説


公衆浴場の適正配置規制については、従来の判例は、公衆浴場の偏在・乱立から生じる弊害を国民保健及び環境衛生を保持する上から防止するという消極目的規制と捉えていました。しかし、その後、公衆浴場業者が経営困難から転廃業することを防止するという積極的目的規制と捉える判例も登場しました。従って、( ② )には「消極」が入ります。


( ③ )の解説


酒類販売業の免許制については、判例は、消極目的規制か積極目的規制かという区別を明示せずに、「租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという国家の財政目的のための職業を許可制とする規制については、その必要性と合理性についての立法府の判断が、政策的・技術的な裁量の範囲を逸脱するもので、著しく不合理なものでない限り、これを憲法22条1項の規定に違反するものということはできない」としています。従って、( ③ )には「その必要性と合理性についての立法府の判断が著しく不合理でないかの検討が必要である」が入ります。

以上により、①=「消極」、②=「消極」、③=「その必要性と合理性についての立法府の判断が著しく不合理でないかの検討が必要である」が入るので、4が正解となります。

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6
正解は4です。

職業選択の自由に対する規制については、その目的から、国民の生命・健康に対する危険防止または除去もしくは緩和するための消極的規制と、社会公共の便宜を促進し社会的・経済的弱者を保護するための積極的規制に分けられます。それぞれに対して、裁判所は、消極的規制については、「厳格な合理性の基準」にそって審査し、積極的規制については、「明白性の原則」にそって審査します(判例等)。すなわち、消極的規制の場合には、立法府がより緩やかな規制の手段を採用できないかどうか検討し、厳しくその合憲性・合理性を審査するのに対し、積極的規制の場合には、明らかに不合理なものでない限り合憲とします。よって、〔➀消極〕が入ります。

「公衆浴場の適正配置規制に関する判例」は、積極的規制であるか消極的規制であるかの解釈が、判例によって変遷した代表的な問題です。年代順に、➀消極的かつ警察的規制として合憲(最大判昭30・1・26)→②積極的規制として合憲(最判平元・1・20)→③消極的規制かつ積極的規制として合憲(最判平元・3・7)、と判決が出ています。よって、〔②消極〕が入ります。消極的規制にあたるという理由は、「その偏在により、多数の国民が…不便を来すおそれなきを保し難く、その濫立により、浴場経営に無用の競争を生じ…、ひいて浴場の衛生設備の低下等好ましからざる影響を来たすおそれなきを保し難い」と、「国民保健及び環境衛生」の観点から「公共の福祉」を保障するために当該配置規制を合憲とするものでしたが、その後各家庭の水道設備の整備が進み、自家風呂が増え公衆浴場の利用者が激減したことで、「公衆浴場業者が経営の困難から廃業や転業をすることを防止し、健全で安定した経営を行えるように種々の立法上の手段をとり、国民の保健福祉を維持する」という積極的規制の理由が追加されました。

「酒類販売業の免許制に関する判例」とは、酒類の販売に関し免許制をとっていることが合憲かどうかについて争われた判例です。判例では、「原則として、重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要し、租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという財政目的に対し、その規制についての立法府の判断が、政策的、技術的な裁量の範囲を逸脱し、著しく不合理なものでない限り、22条1項には違反しない」とされ、当該規制は違憲ではないとされています(最判平4・12・15)。積極的規制に近い判決ではありますが、租税法は、消極的規制・積極的規制のいずれとも異なる性質があるという補足意見があります。よって〔③その必要性と合理性についての立法府の判断が著しく不合理でないかの検討が必要であるとした〕が入ります。

3
正解は4です。()の記載は以下の通りです。
職業選択の自由に対する規制については、国民の生命・健康に対する危険を防止又は除去若しくは緩和するための(消極)目的規制と社会公共の便宜を促進し社会的・経済的弱者を保護するための、(積極)目的規制に区別し、(消極)目的規制の場合には(積極)目的規制の場合よりも規制立法の合憲性を厳格に審査すべきであるとの考え方がある。
この考え方に対しては、例えば、(消極)目的規制と(積極)目的規制の両面の要素を有する場合があることや、公衆浴場の適正配置規制に関する判例のように従来は(消極)目的規制と捉えられたものが事情の変化によって(積極)目的規制と解されるようになる場合があることなど、(消極)目的規制か(積極)目的規制かの区別は相対的であるとの指摘があるほか、判例の中にも、酒類販売業の免許制について、(消極)目的規制か(積極)目的規制かを明らかにすることなく、租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという財政目的による規制であるとした上、(その必要性と合理性についての立法府の判断が著しく不合理でないかの検討が必要であるとした)ものがある。

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