司法書士の過去問
平成29年度
午前の部 問34

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問題

平成29年度 司法書士試験 午前の部 問34 (訂正依頼・報告はこちら)

組織変更に関する次の1から5までの記述のうち、正しいものは、どれか。

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この過去問の解説 (3件)

01


正解 1

1 正しい。
株式会社が組織変更をする場合において、組織変更をする株式会社の新株予約権者は、当該株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができます(会社法777条1項)。

2 誤り。
合名会社又は合資会社が組織変更をする場合には、官報のほか、定款の定めに従い、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法又は電子公告の方法によりするときであっても、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければなりません。
これに対し、合同会社が組織変更をする場合は、官報のほか、定款の定めに従い、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法又は電子公告の方法によりするときは、各別の催告を省略することができます(会社法781条2項、同779条3項)。

3 誤り。
持分会社が組織変更をする場合には、組織変更計画において、組織変更後の株式会社の目的や商号などを定めなければなりません(会社法746条1項1号)。
そして、組織変更の効力発生日に当該事項に係る定款の変更をしたものとみなされます(会社法747条2項)。
よって、組織変更後の株式会社の商号について、株主総会の決議によって定款の変更をする必要はありません。

4 誤り。
組織変更をする持分会社について、組織変更計画の内容等を記載した書面を本店に備え置くことは求められていません。

5 誤り。
組織変更をする持分会社は、組織変更の効力発生日の前後を通じて、組織変更計画の内容等を記載した書面を本店に備え置く必要はありません。

よって、正しい肢は1となり、1が正解となります。

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02

正解は1です。
正しい選択肢は、アなので、1が正解となります。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア.会社法777条によると、株式会社が組織変更をする場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者は、当該株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができるとされています。従って、本選択肢は正しいです。

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03

正解は1です。


1.…正しいです。株式会社が組織変更をする場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者は、当該株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができます(777条1項)。


2.…誤りです。合同会社を除く持分会社が組織変更をする場合は、(持分会社では計算書類の公告が不要なため)➀組織変更をする旨、②債権者が異議を述べることができる旨、を官報に公告した上、知れている債権者に対し各別に催告する必要があります(781条2項、779条3項)。合同会社においては、債権者への各別の催告は不要です。


3.…誤りです。組織変更をする持分会社は、組織変更計画の中で新しく用いる商号等を定める必要があり、商号以外にも定款で定めている事項に係る変更は、当該持分会社が株式会社となる効力発生日に、定款の変更をしたものとみなされます(747条2項、746条1項1号、2号)。したがって株主総会の決議は不要です。


4.…誤りです。組織変更をする「株式会社」は、組織変更計画の備置開始日から効力発生日までの間、組織変更計画の内容等を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(=組織変更計画書)をその本店に備え置かなければなりません(775条1項)。一方、持分会社には、このような規定はありません。


5.…誤りです。組織変更後の持分会社は、組織変更計画書を会社に据え置かなければならないという規定はありません。株式会社における吸収合併等と混同しないようにしてください。

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