司法書士の過去問
平成30年度
午後の部 問46
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問題
平成30年度 司法書士試験 午後の部 問46 (訂正依頼・報告はこちら)
担保(保証)供託に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 民事訴訟における当事者が供託する方法により仮執行免脱の担保を立てる場合には、当事者が特別の契約をしたときを除き、裁判所が相当と認める有価証券を供託物とすることができる。
イ 民事訴訟における被告が訴訟費用の担保として供託された金銭の払渡しを受けるには、裁判所の配当手続によらなければならない。
ウ 営業保証供託については、担保官庁の承認があれば、営業主以外の第三者が供託者となることができる。
エ 営業保証供託の供託者は、供託金全額の払渡しと同時又はその後でなければ、その供託金利息の払渡請求をすることができない。
オ 営業保証金として供託した供託金の保管替えが法令の規定により認められる場合であっても、供託金の取戻請求権に対する差押えがされているときは、供託者は、その供託金の保管替えを請求することができない。
ア 民事訴訟における当事者が供託する方法により仮執行免脱の担保を立てる場合には、当事者が特別の契約をしたときを除き、裁判所が相当と認める有価証券を供託物とすることができる。
イ 民事訴訟における被告が訴訟費用の担保として供託された金銭の払渡しを受けるには、裁判所の配当手続によらなければならない。
ウ 営業保証供託については、担保官庁の承認があれば、営業主以外の第三者が供託者となることができる。
エ 営業保証供託の供託者は、供託金全額の払渡しと同時又はその後でなければ、その供託金利息の払渡請求をすることができない。
オ 営業保証金として供託した供託金の保管替えが法令の規定により認められる場合であっても、供託金の取戻請求権に対する差押えがされているときは、供託者は、その供託金の保管替えを請求することができない。
- アウ
- アオ
- イウ
- イエ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
ア ○ 裁判所は、申立てにより又は職権で、担保を立てて仮執行を免れることができることを宣言することができます(民事訴訟法259条3項)。担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は裁判所が相当と認める有価証券を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければなりません(民事訴訟法76条)。
イ × 被告は、訴訟費用に関し、前条の規定により供託した金銭又は有価証券について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有します(民訴法77条)。供託物の還付を請求する者は法務大臣の定める所(供託所)にその権利を証明することを要します(供託法8条1項)。
ウ × 営業保証供託には、営業者の信用力を確認する目的があり、第三者が代わって供託することができないとされています(昭39全国供託課長会同決議)。
エ × 供託金利息は、元金と同時に払い渡すものとします。しかし、保証として金銭を供託した場合には、この規定にかかわらず、毎年、供託した月に応当する月の末日後に、同日までの供託金利息を払い渡すことができます(供託規則34条1項2項)。
オ ○ 供託物取戻請求権に対して、既に差し押さえ等の処分の制限がなされた後においては、供託物の保管替えをすることはできません(昭36.7.19 民甲1717)。
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02
ア:正
仮執行免脱宣言(民訴259Ⅲ)のための担保を立てる場合、当事者が特別の契約をしたときを除き、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は裁判所が相当と認める有価証券を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければなりません(民訴259Ⅵ、76)。
イ:誤
訴訟費用の担保として原告が供託した金銭又は有価証券について、被告は他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有します(民訴77)。当該権利の行使について、被告は、裁判所の配当手続によらず、供託所に対して直接還付を請求することができます(平9.12.19民四2257号)。
ウ:誤
営業保証供託は、営業者(供託者)自身の信用力を確認する目的があるので、第三者が営業者に代わって供託することはできません(昭39全国供託課長会同決議)。
エ:誤
供託金利息は、元金の受取人と供託金利息の受取人とが異なる等元金と同時に払い渡すことができないときを除いて、元金と同時に払い渡すものとします(供規34Ⅰ)。しかし、保証として金銭を供託した場合、供託金の利息には担保の効力は及ばないと解されているので、毎年、供託した月に応当する月の末日後に、同日までの供託金利息の払い渡しを請求することができます(供規34Ⅱ)。
オ:正
法令の規定により営業保証金として供託した供託金の保管替えが認められる場合であっても、当該供託金の取戻請求権の差押え、譲渡等があるときは、供託者は供託金の保管替えを請求することはできません(昭36.7.19民甲1717号)。
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03
正解:2
<解説>
ア:正しいです。
仮執行免脱(民事訴訟法259条③)の担保は、民事訴訟法上の担保であり、民事訴訟法上の担保を立てる場合には、当事者が特別の契約をしたときを除き、その供託物として金銭又は裁判所が相当と認める有価証券を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければなりません。
したがって、本肢は正しいです。
イ:誤りです。
民事訴訟における被告が、訴訟費用の担保として供託された金額の払渡しを受けるには、供託物払渡請求書に還付を受ける権利を有することを証する書面(被担保債権の発生を証する確定判決又は訴訟費用額確定処分に基づき、裁判所から交付を受けた供託物の供託原因消滅証明書)を添付して供託所に提出し還付請求をします(供託規則24条①⑴)。
裁判所の配当手続によるのではありません。
したがって、本肢は誤りです。
ウ:誤りです。
営業保証供託について、担保官庁の承認があっても、営業主以外の第三者が供託者となることはできません(昭38・5・27民甲1569号、昭39決議)。
したがって、本肢は誤りです。
エ:誤りです。
担保の効力は、供託金の元金にのみ及ぶため、供託金の利息にその効力は及ばず、利息は供託金とは別に払渡請求をすることができます。
毎年、供託した月に応当する月の末日後に、同日までの供託金利息を払い渡すことができるとしています(供託規則34条②)。
したがって、本肢は誤りです。
オ:正しいです。
営業保証金として供託した供託金の保管替えが法令の規定により認められる場合であっても、供託金の取戻請求権に対する差押えがされているときは、供託者は、その供託金の保管替えを請求することができません(昭36・7・19民甲1717号)。
したがって、本肢は正しいです。
以上により、正しいものは肢ア・オであり、正解は2となります。
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