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司法書士の過去問 平成31年度 午前の部 問12

問題

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民法上の動産質権に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、どれか。

ア  動産質権者は、他人によって質物の占有を奪われた場合には、動産質権に基づいて目的物の返還を請求することができる。

イ  動産質権は、所有権の客体になり得る物であれば、法律上譲渡が禁止された物であっても、その目的とすることができる。

ウ  動産質権の被担保債権の弁済期が経過したにもかかわらず動産質権者が弁済を受けなかった場合において、正当な理由があるときは、動産質権者は、裁判所に対し、鑑定人の評価に従って質物をもって直ちに弁済に充てることを請求することができる。

工  動産質権の被担保債権の弁済期が経過したにもかかわらず動産質権者が弁済を受けなかったときは、その後、動産質権者と質権設定者は、動産質権者が質物を第三者に売却してその代価をもって弁済に充てることができる旨を約することができる。

オ  動産質権の設定は、債権者に対して質物を占有改定の方法で引き渡すことによっても、その効力を生ずる。
   1 .
アイ
   2 .
アオ
   3 .
イウ
   4 .
ウエ
   5 .
エオ
( 平成31年度 司法書士試験 午前の部 問12 )
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この過去問の解説 (3件)

10
正解は4です。動産質権は不動産質権との違いや、留置権、債権譲渡などとの比較がよく出題されます。

ア…誤りです。動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができません(352条)。したがって、占有を奪われた場合には、物権的請求権を行使できないので、占有回収の訴えによってのみ、質物を回復することができます(353条)。

イ…誤りです。質権は、譲り渡すことができないものをその目的物とすることができません(343条)。なお、特約により譲渡が禁止されている指名債権などは目的物として設定できませんが、民事執行法により差押が禁止されている動産は目的物として設定できます(民事執行法131条)。

ウ…正しいです。動産質権者は、その債権の弁済を受けないときは、正当な理由があるときに限り、鑑定人の評価に従い、質物をもって直ちに弁済に充てることを裁判所に請求することができます(354条前段)。競売の実行にかかる費用と目的物の換価が釣り合わないなど、少額の質物について費用倒れを防ぐために用いられる手段です。

エ…正しいです。質権設定者は、設定行為又は弁済期到来前の契約において、質物の処分を約することができません(349条)。しかし、弁済期到来後の質物の処分については制約はないので、質物を売却することができます。

オ…誤りです。質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生じます(344条)。したがって、代理占有(181条)、簡易の引渡(182条2項)、指図による占有移転(184条)などでは効力を生じますが、占有改定では効力を生じません。なお、動産質権者が第三者に質物を引き渡した場合、質権は失われませんが、第三者に質権を対抗できません(大判大5・12・25参照)。

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6
正解:4

ア:誤
民法353条は、「動産質権者は、質物の占有を奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる」と定めています。
よって、誤った記述です。

イ:誤
民法343条は、「質権は、譲り渡すことができない物をその目的とすることができない」と定めています。「譲り渡すことができない物」には、法律上譲渡が禁止された物が含まれます。
よって、誤った記述です。

ウ:正
民法354条前段は、「動産質権者は、その債権の弁済を受けないときは、正当な理由がある場合に限り、鑑定人の評価に従い質物をもって直ちに弁済に充てることを裁判所に請求することができる」と定めています。
よって、正しい記述です。

エ:正
民法349条は、「質権設定者は、設定行為又は債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることを約することができない」と規定していますが、弁済期が経過した後に弁済を受けなかった場合には、動産質権者が質物を第三者に売却し、その代価をもって弁済に充てることができます。
よって、正しい記述です。

オ:誤
質権の設定は、債権者に目的物を引き渡すことが効力要件となっています(民法344条)。民法345条は、「質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない」と定めていますので、占有改定は、344条の引渡しに含まれず、質権の効力は発生しません。
よって、誤った記述です。

5
正解:4

ア:誤
動産質権は、動産の占有が質権の公示の役割を果たしますので、動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することはできません(民352)。動産の占有が第三者対抗要件となっているので、その占有を失うことにより、対抗力も失われます。そのため、動産質権者は、質物の占有を奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる(民353)ことになります。したがって、他人によって質物の占有を奪われた場合において、動産質権に基づいて目的物の返還を請求することはできません。

イ:誤
質権は、譲り渡すことができない物をその目的とすることができません(民343)。質権の目的となり得る物は、換価価値及び譲渡性を有する物でなければならず、法律上譲渡が禁止された物は、その目的とすることはできません。

ウ:正
動産質権者は、その債権の弁済を受けないときは、正当な理由がある場合に限り、鑑定人の評価に従い質物をもって直ちに弁済に充てることを裁判所に請求することができます(民354前段)。

エ:正
質権設定者は、設定行為又は債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることを約することができません(民349)。しかし、弁済期到来後であれば、動産質権者と質権設定者は、動産質権者が質物を第三者に売却してその代価をもって弁済に充てることができる旨を約することができます。

オ:誤
質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生じます(民344)。また、質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができません(民345)ので、民法第344条の「引き渡し」に占有改定は含まれません。

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