司法書士の過去問
令和3年度
午後の部 問36
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問題
令和3年度 司法書士試験 午後の部 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
民事訴訟における訴訟能力又は法定代理に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア 訴訟能力を欠く者による訴えの提起であることが判明したときは、裁判長は、その補正を命ずることなく、命令で、訴状を却下することができる。
イ 外国人は、その本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本の法律によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなされる。
ウ 被告が訴訟係属中に保佐開始の審判を受けた場合において、訴訟上の和解をするときは、保佐人の特別の授権を要する。
エ 訴訟能力を欠く当事者がした訴訟行為は、これを有するに至った当該当事者の追認により、行為の時に遡ってその効力を生ずる。
オ 当事者である未成年者が成年に達した場合には、その親権者の法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなくても、訴訟上その効力を生ずる。
ア 訴訟能力を欠く者による訴えの提起であることが判明したときは、裁判長は、その補正を命ずることなく、命令で、訴状を却下することができる。
イ 外国人は、その本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本の法律によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなされる。
ウ 被告が訴訟係属中に保佐開始の審判を受けた場合において、訴訟上の和解をするときは、保佐人の特別の授権を要する。
エ 訴訟能力を欠く当事者がした訴訟行為は、これを有するに至った当該当事者の追認により、行為の時に遡ってその効力を生ずる。
オ 当事者である未成年者が成年に達した場合には、その親権者の法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなくても、訴訟上その効力を生ずる。
- アエ
- アオ
- イウ
- イオ
- ウエ
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この過去問の解説 (3件)
01
正解 2
ア 誤り
訴訟能力、法定代理兼又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければなりません(民訴法34条1項)。
このとき、補正がなされない場合は、口頭弁論を開いて判決で訴えを却下しなければなりません。
イ 正しい
外国人は、その本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなされます(民訴法33条)。
ウ 正しい
被保佐人、被補助人又は後見人その他の法定代理人が、訴訟上の和解をするには、特別の授権が必要です(民訴法32条2項1号)。
エ 正しい
訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時に遡ってその効力を生じます(民訴法34条2項)。
オ 誤り
法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、訴訟上の効力を生じません(民訴法36条1項)。
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02
ア × 本肢を一言でまとめると、いきなり却下されないということです。
訴訟能力、法定代理権、又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は期間を定めて、その補正を命じなければなりません。
そして、訴訟要件が補正されない場合は裁判所は判決で訴えを却下します。
イ 〇 外国人は、その本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべき時は、訴訟能力者とみなします。
なぜなら、日本法において訴訟能力を有すべき場合にまで、訴訟無能力者として日本人以上に保護する必要はないからです。
ウ 〇 訴えの取り下げ、和解、請求の放棄、認諾、訴訟脱退、をするには訴訟代理人は特別の授権が必要です。(民訴32)
そして、当事者が訴訟継続中に保佐開始の審判を受けても、その審級に限っては被保佐人は保佐人の同意なく訴訟行為をすることができますが、
訴えの取り下げ、和解、請求の放棄、認諾、訴訟脱退、をするには特別の授権が必要です。
エ 〇 訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な受験を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時に遡って効力を生じます。(民訴36Ⅰ)
なぜなら、追認によって過去の手続きを活かすことは相手方にとっても都合がよいし、訴訟経済に合致するからです。
オ × 法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じません。(民訴36Ⅰ)
なぜなら、裁判所及び相手方は代理権の消滅を知ることができないからです。
そして、法定代理権が消滅をしたことを通知してはじめてその効力が発生するのです。
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03
正解は2です。
ア…誤りです。訴訟能力・法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めてその補正を命じなければなりません(民事訴訟法34条1項)。
イ…正しいです。外国人は、その本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべき時は、訴訟能力者とみなされます(民事訴訟法33条)。
ウ…正しいです。被保佐人・被補助人又は後見人その他の代理人は、相手方の提起した訴えまたは上訴についての訴訟行為は単独ですることができますが、➀訴えの取下げ、和解、請求の放棄もしくは認諾または脱退、②控訴、上告、上告受理の申立てまたは取下げ、③異議の取下げ又はその取下げについての同意、をする場合、特別の授権がなければなりません(民事訴訟法32条1項、2項)。
エ…正しいです。訴訟能力・法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者または法定代理人の追認により、行為の時に遡ってその効力を生じます(民事訴訟法34条2項)。
オ…誤りです。法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じません(民事訴訟法36条1項)。
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