司法書士の過去問
令和3年度
午後の部 問37

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

令和3年度 司法書士試験 午後の部 問37 (訂正依頼・報告はこちら)

期日又は期間に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア  期日は、申立てにより又は職権で、裁判長が指定する。
イ  口頭弁論期日に出頭した当事者に対して裁判長が口頭で次回期日を告知しただけでは、その次回期日について適法な呼出しがあったとは認められない。
ウ  弁論準備手続を経た口頭弁論期日の変更は、やむを得ない事由がある場合でなければ、許すことができない。
エ  裁判所は、担保を立てるべき期間を定めたときは、その期間を伸長することができない。
オ  当事者がその責めに帰することができない事由により即時抗告の期間を遵守することができなかった場合には、当該期間が満了した時から1週間以内に限り、即時抗告の追完をすることができる。
  • アウ
  • アオ
  • イエ
  • イオ
  • ウエ

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

ア 〇 期日は、申し立てにより又は職権で、裁判長が指定します。(民訴93Ⅰ)

民事訴訟法は条文問題が多数出ます。

条文を読み込んでおきましょう。

イ × 本肢を一言でまとめると、期日の呼び出しはルーズでよいということです。

期日の呼び出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭したものに対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。(民訴94Ⅰ)

よって、裁判長が口頭で次回期日を告知することは、その他相当と認める方法に該当するので本肢は誤っています。

ウ 〇 本肢を一言でまとめると、弁論準備手続きを経た口頭弁論の期日の変更は99%できませんが、1%だけ可能性は残しておきますよ。ということです。

弁論準備手続きを経た口頭弁論の期日の変更は、やむを得ない事由がある場合でなければ、許すことができない。(民訴93Ⅵ)

なぜなら、口頭弁論期日前に弁論準備手続きを実施した場合、争点及び証拠の整理が終了しています。

そして、当事者双方の都合を確認して口頭弁論期日が指定されているので、一度決まった期日の変更はやむを得ない事由がある場合に限られます。

エ × 裁判所は、担保提供を命ずる決定において、担保の額及び担保を立てるべき期間を定めなければなりません。(民訴75Ⅴ)

そして、その期間を伸長又は短縮することができます。(民訴96Ⅰ)

担保を立てるのは大変なことだから期間をガッチリ決めるのではなく、多少のバッファを設けてもよいということです。

オ × 即時抗告は、裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければなりません。(民訴332)

そして、当事者がその責めに帰することができない事由により不変期間を尊守することができなかった場合には、その事由が消滅した後1週間以内に限り、不変期間内にすべき訴訟行為の追完をすることができます。(民訴97Ⅰ)

民法の失踪宣告で「危難が去ったときから」と同じイメージです。

教科を跨いで思い浮かべることができるようにしましょう。

参考になった数14

02

正解は1です。

ア…正しいです。期日は、申立てによりまたは職権で、裁判長が指定します(民事訴訟法93条1項)。

イ…誤りです。期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によって行われます(民事訴訟法94条1項)。

ウ…正しいです。弁論準備手続を経た口頭弁論期日の変更は、やむを得ない事由がある場合でなければ、許すことができません(民事訴訟法93条4項)。

エ…誤りです。担保を立てるべき期間は、(原則として変更を許さない不変期間と異なり)裁判所によりその期間を伸長し、又は短縮することができます(民事訴訟法96条1項)。

オ…誤りです。即時抗告は、通常の抗告と異なり、一定の不変期間内(民事訴訟法では決定のあった日から1週間以内)に提起すべきものですが、当事者がその責めに帰すことができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、「その事由が消滅した後」1週間以内(外国に在る当事者については2ヶ月以内)に限り、訴訟行為の追完をすることができます(民事訴訟法97条1項)。

参考になった数7

03

正解 1

ア 正しい

期日は、申立てにより又は職権で、裁判長が指定します(民訴法93条1項)。

イ 誤り

期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によって行われます(民訴法94条1項)。

ウ 正しい

弁論準備手続を経た口頭弁論期日の変更は、やむを得ない事由がある場合でなければ、許されません(民訴法93条4項)。

エ 誤り

裁判所は、法定の期間又はその定めた期間を伸長し、又は短縮することができます(民訴法96条1項)。

本肢の担保提供期間は、ここでいう法定期間にあたるため、裁判所は、その期間を伸長することができます。

オ 誤り

当事者がその責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、その事由が消滅した時から1週間以内に限り、不変期間内にすべき訴訟行為の追完をすることができます(民訴法97条1項)。

参考になった数5