司法書士の過去問
令和3年度
午後の部 問38
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問題
令和3年度 司法書士試験 午後の部 問38 (訂正依頼・報告はこちら)
民事訴訟における訴訟行為の方式に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア 簡易裁判所における請求の変更は、口頭ですることができる。
イ 口頭弁論期日における移送の申立ては、口頭ですることができる。
ウ 訴訟記録の閲覧の請求は、口頭ですることができる。
エ 弁論準備手続期日における証人尋問の申出は、書面でしなければならない。
オ 簡易裁判所の終局判決に対する控訴の提起は、控訴状を提出してしなければならない。
ア 簡易裁判所における請求の変更は、口頭ですることができる。
イ 口頭弁論期日における移送の申立ては、口頭ですることができる。
ウ 訴訟記録の閲覧の請求は、口頭ですることができる。
エ 弁論準備手続期日における証人尋問の申出は、書面でしなければならない。
オ 簡易裁判所の終局判決に対する控訴の提起は、控訴状を提出してしなければならない。
- アイ
- アエ
- イオ
- ウエ
- ウオ
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は4です。
ア…正しいです。簡易裁判所では、迅速で平易な手段により問題の解決を図るため、請求の趣旨・請求原因を記載した訴状の提出に代えて、口頭で訴えの提起ができます(民事訴訟法133条、271条)。このうち、「請求原因」の変更は、(簡易裁判であるかどうかにかかわらず)書面によってすることを要しないとされています(最判昭35・5・24)。したがって請求の変更を書面で行わなくてはならないとする民事訴訟法143条2項は、「請求の趣旨」の変更のみに限ると解されますが、請求の趣旨を口頭で提起できる簡易裁判所では、その変更も口頭でできます。
イ…正しいです。移送の申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければなりません(民事訴訟規則7条1項)。したがって口頭弁論期日の当日は口頭ですることができます。
ウ…誤りです。訴訟記録の閲覧もしくは謄写、その正本もしくは抄本の交付、その複製または訴訟に関する事項の証明書の交付の請求は、書面でしなければなりません(民事訴訟規則33条の2第1項)。
エ…誤りです。証人尋問の申出は、他の証拠の申出と同様に、書面または口頭のいずれでも行うことができます(民事訴訟規則1条1項、H7過去問)。
オ…正しいです。控訴の提起は、控訴状を第一審裁判所に提出してしなければなりません(民事訴訟法286条1項)。
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02
ア 〇 原則として請求の変更は書面でしなければなりません。(民訴143Ⅱ)
しかし、簡易裁判所の手続きにおいては、最初の訴え提起だけではなく請求の変更も口頭ですることができます。(民訴271)
イ 〇 移送の申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければなりません。(民訴規7Ⅰ)。
裁判をするにあたって管轄は非常に重要なのです。(当事者の交通費などを勘案して)
そのため、移送申し立ての有無及び内容を明確にしておかなければなりません。
よって、書面でするか、期日に申し立てをして(期日調書に記載される)移送の申し立ての有無及び手続の内容を明確にするのです。
ウ × 何人も裁判所書記官に対し、訴訟記録の閲覧を請求することができます。(民訴91Ⅰ)
そして、訴訟記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付、その複製又は訴訟に関する事項の証明書の交付請求は書面でしなければなりません。(民訴規1Ⅰ)
裁判書類は重要なものばかりなので気軽に「見せてね」と言って閲覧等ができるわけないのです。
エ × 裁判所は、弁論準備手続の期日において、証拠の申出に関する裁判その他の口頭弁論の期日外においてすることができる裁判及び文書の証拠調べをすることができます。(民訴170Ⅱ)
当該証拠の申出に関する裁判には、証人尋問の採用決定が含まれます。
そして、当該証拠の申出は、書面又は口頭ですることができます。(民訴規1Ⅰ)
オ 〇 簡易裁判所では口頭による訴えの提起が認められています。(民訴271)
しかし、簡易裁判所が第一審としてなした判決に対し、控訴をする場合には、控訴状を提出しなければなりません。
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03
正解 4
ア 正しい
訴えの変更は、書面によって行わなければなりませんが(民訴法143条2項)、簡易裁判所における請求の変更は、口頭ですることが可能です(同271条)。
イ 正しい
移送の申立ては、期日においてする場合を除き、書面ですることを要します(民訴規7条1項)。
ウ 誤り
訴訟記録の閲覧もしくは謄写、その正本、謄本もしくは抄本の受付、その複製または訴訟に関する事項の証明書の交付の請求は、書面でしなければなりません(民訴規33条の2第1項)。
エ 誤り
証拠の申出については書面によることが求めらていません(民訴法180条、同規則1条1項参照)。
したがって、弁論準備手続期日における証人尋問の申出は、口頭ですることも可能です。
オ 正しい
控訴の提起は、控訴状を提出してしなければなりません(民訴法286条1項)。
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