問題
ただし、測定距離は気象補正済みとする。また、測定誤差は考えないものとする。
なお、関数の値が必要な場合は、巻末の関数表を使用すること。
解答:5
器械定数と反射鏡定数は、距離に比例しない誤差であり、
D´=D+⊿sと表されます。(D´:観測値、D:補正距離、⊿s:誤差)
問題文の条件を上記の式に代入すると、
AB間:600.005=D1+⊿s ・・・①
BC間:399.555=D2+⊿s ・・・②
AC間:999.590=D3+⊿s ・・・③
D1+D2=D3であるため、①②より、
600.005+399.555=D1+⊿s+D2+⊿s
999.560=(D1+D2)+⊿s+⊿s ・・・④
(D1+D2)+⊿s=D3+⊿s=999.590であるため、③④より
999.560=999.590+⊿s ⊿s=-0.03
よってAC間の補正距離は、
999.590=D3-0.03 D3=999.620
よって答えは5となります。
トータルステーション測距部の機械定数とプリズム定数の問題です。この問題は、いろいろなバリエーションがあり、年度ごとに、パターンを変えて出題されるので、どのパターンにも対応できるようにしておく必要があります。
設問では、補正前のAB、BC、ACの距離が与えられていますから、機械定数+反射鏡定数をKとすると、次の式が成り立ちます。
AB+K=600.005、BC+K=399.555 AC+K=999.590
変形すると、AB+BC+2K=999.560
補正後のAB+BC=ACですので、
①AC+2K=999.560
設問より、②AC+K=999.590が与えられていますので、①②の方程式を解いてKを求めます。
②をAC=(999.590-K)と変形し、①に代入します。
(999.590-K)+2K=999.560
K=-0.03となります。
補正前のACの距離は999.590、機械定数及び反射鏡定数は-0.03ですから、
AC+K=999.590
AC=999.590-K=999.590-(-0.03)=999.620(m)
これが、補正後のAC間の距離になります。
この問題は、トータルステーション測距部の機械定数とプリズム定数の問題の中では、解きやすい問題です。ただし、年度によっては、いろいろひっかけた問題が出ることがありますので、注意しなくてはなりません。