測量士補の過去問
令和元年度(2019年)
問9

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問題

測量士補試験 令和元年度(2019年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、公共測量におけるセミ・ダイナミック補正について述べたものである。
[ ア ] ~ [ エ ]に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の中から選べ。

プレート境界に位置する我が国においては、プレート運動に伴う[ ア ]により、各種測量の基準となる基準点の相対的な位置関係が徐々に変化し、基準点網のひずみとして蓄積していくことにな
る。
GNSSを利用した測量の導入に伴い、基準点を新たに設置する際には遠距離にある[ イ ]を既知点として用いることが可能となったが、[ ア ]によるひずみの影響を考慮しないと、近傍の基準点の測量成果との間に不整合が生じることになる。
そのため、測量成果の位置情報の基準日である「測地成果2011」の[ ウ ]から新たに測量を実施した[ エ ]までの[ ア ]によるひずみの補正を行う必要がある。
  • ア:地殻変動  イ:三角点  ウ:今期  エ:元期
  • ア:地盤沈下  イ:三角点  ウ:今期  エ:元期
  • ア:地殻変動  イ:電子基準点  ウ:今期  エ:元期
  • ア:地盤沈下  イ:三角点  ウ:元期  エ:今期
  • ア:地殻変動  イ:電子基準点  ウ:元期  エ:今期

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この過去問の解説 (3件)

01

解答:5

ア:地殻変動

セミ・ダイナミック補正は元期の測量成果と今期の測量成果に生じる地殻変動のひずみの影響を補正します。

イ:電子基準点

公共測量では、セミ・ダイナミック補正は1~2級基準点測量のうち電子基準点のみを既知点として用いる測量に用いられます。

ウ:元期

現在公表されている測量成果(測地成果2011)の値をいいます。

エ:今期

元期以降に新たに測量を実施し得た測量結果をいいます。

上記の答えを問題文に当てはめると、

プレート境界に位置する我が国においては、プレート運動に伴う地殻変動により、各種測量の基準となる基準点の相対的な位置関係が徐々に変化し、基準点網のひずみとして蓄積していくことになる。
GNSSを利用した測量の導入に伴い、基準点を新たに設置する際には遠距離にある電子基準点を既知点として用いることが可能となったが、地殻変動によるひずみの影響を考慮しないと、近傍の基準点の測量成果との間に不整合が生じることになる。
そのため、測量成果の位置情報の基準日である「測地成果2011」の元期から新たに測量を実施した今期までの地殻変動によるひずみの補正を行う必要がある。」となります。

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02

解答:5

解説
 日本は複数のプレートの境界上に位置するため、この地殻変動の影響を受け、測量に利用される基準点は時間の経過とともにずれています。
そのため、地殻変動による歪みの補正を行う必要があり、その補正をセミ・ダイナミック補正と言います。
 この問題はこのセミ・ダイナミック補正に関する問題です。

アには"地殻変動"、イには"電子基準点"、ウには"元期"、エには"今期"が入ります。

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03

セミダイナミック補正に関する問題です。地球の地表の定常的な地殻変動により、基準点の座標値は常に動いていますが、基準点は10万点以上あり、毎年更新することは現実的ではありません。このため、測地成果2011の基準日を「元期」、観測を行った日を「今期」と呼んで、地殻変動のひずみを補正することとされており、これをセミダイナミック補正といいます。

選択肢5. ア:地殻変動  イ:電子基準点  ウ:元期  エ:今期

(ア)プレート変動により発生するのは、地盤沈下ではなく、地殻変動なので、(ア)には「地殻変動」が入ります。

(イ)公共測量におけるセミダイナミック補正では、1~2級基準点測量のうち、電子基準点のみを既知点として用いられる測量のみに適用されます。このため、(イ)には、「電子基準点」が入ります。

(ウ)現在公表されている「測地成果2011」の値を「元期」というので、(ウ)には「元期」が入ります。

(エ)元期以降に新たに測量を実施して得た測量結果を「今期」というので、(エ)には「今期」が入ります。

まとめ

この問題では、(イ)が難しかったと思います。それ以外は、常識から判断できると思います。公共測量におけるセミダイナミック補正では、電子基準点のみを既知点として用いられる測量のみに適用されるということは、ここで覚えておきましょう

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