問題
a 等高線による表現が困難又は不適当な地形は、変形地の記号を用いて表示する。
b 転位及び取捨選択による描画は、小さい縮尺の地図作成において有効な方法である。
c 縮尺の異なる地図においても、地物の取得項目及び表示方法は、共通である。
d 新しい地図の作成のために、複数の既成の地図を使用する場合、縮尺が異なる地図を使用しても良い。ただし、作成する地図より小さい縮尺の地図を使用する。
e 注記は、対象物の種類、図上の面積及び形状により、小対象物、線状対象物などに区分して表示する。
解答:4
a:〇
変形地とは雨などで浸食され変形した地形をいいます。
このような地形は比較的等高線での表現が困難となります。
b:〇
大きな縮尺の地図から小さい縮尺の地図を作成する時は、重なり合うものを重要度に応じて移動させる転移と優先度の高い地図情報を選択してその他の情報を省略する取捨選択、地物等の特徴を損なわないように省略や誇張する総描を適切に行い作成します。
c:✕
作成される地図の目的及び縮尺に応じて適切に定める必要があります。
d:✕
新しい地図の作成のために、複数の既成の地図を使用する場合は、作成する地図の縮尺よりも大きい縮尺の地図を使用する必要があります。
e:〇
注記では、地域や人工物等の名称、土地の標高、等高線数値等を文字や数値で表示します。
地図編集に関する問題です。地図編集とは、地図を組み合わせて新しい地図を作るイメージです。測量士補試験では、図法や地図から情報を読み取る方法に関する問題が多く出題されます。
(a)変形地とは、雨水などにより浸食された地形や、岩などが露出した地形のことを言います。こういった地形を等高線で表現することは難しいため、地図編集では、「変形地の記号」を使って表現します。よって、正しいです。
(b)大きな縮尺の地図から小さい縮尺の地図を作成する場合、互いに重なり合うものを重要度に応じて移動させること(転位)や、優先度の高い地図情報を選択し、そうでない情報を省略すること(取捨選択)は、有効な方法です。よって、正しいです。
(c)作成される地図の目的や縮尺に応じて、地物の取得項目や表示方法は適切に定められるべきとされています。よって、縮尺の異なる地図においてもそれらの事項は共通であるとする本肢は誤りです。
(d)新しい地図を作成する場合、必ず、縮尺の大きな地図を基図にします。縮尺の大きな地図の方がより精度が高いので、縮尺の小さな地図を基図にすると、正確な地図が作れません。本肢は、縮尺の小さな地図を基図にするとしているため、誤りです。
(e)注記とは、文字または数値による表示のことを言います。注記は、対象物の種類、図上の面積及び形状により、小対象物、線状対象物などに区分して表示します。よって、正しいです。
地図編集の問題では、「縮尺の大きい地図を基図にして、より小さな縮尺の地図を作成する」とすべきところを、これをわざと反対にして、「縮尺の小さい地図を基図にして、より大きな縮尺の地図を作成する」として誤りの選択肢とする問題をよく見かけます。注意しましょう。