登録販売者の過去問
平成25年度(地域2)
主な医薬品とその作用 問34

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問題

登録販売者試験 平成25年度(地域2) 主な医薬品とその作用 問34 (訂正依頼・報告はこちら)

胃腸鎮痛鎮痙薬に関する記述のうち、正しいものはどれか。
  • 臭化ブチルスコポラミンは、消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用はあるが、胃液分泌を抑える作用はない。
  • 塩酸パパベリンは、胃酸過多や胸やけに対する効果を期待して用いられ、また、眼圧を上昇させる作用はないため緑内障の診断を受けた人にも使用できる。
  • オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされる。
  • ロートエキスは、副交感神経系の働きを抑えるが、消化管に限定されないため、散瞳による目のかすみや異常な眩まぶしさ、口渇等の副作用が現れることがある。

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この過去問の解説 (5件)

01

正解は3と4です。

1 臭化ブチルスコポラミンには、胃腸の痙攣や胃液分泌を抑える作用があります。

2 塩酸パパベリンは、胃腸や胆管の痙攣を抑えて痛みを和らげます。眼圧が上昇する恐れがありますので、緑内障の人に使用する場合は注意が必要です。

3 その通りです。その為、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方に使用されます。

4 その通りです。
胃液の分泌は副交感神経系からの刺激によって亢進することから、過剰な胃液の分泌を抑える作用を期待して、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑える成分が配合されています。
ロートエキスの他、塩酸ピレンゼピンも用いられます。

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02

正解:3、4

1:臭化ブチルスコポラミンは、抗コリン成分のひとつです。
急な胃腸の痛みは、主として胃腸の過剰な動き(痙攣)によって生じます。消化管の運動は副交感神経系の刺激によって亢進し、また、副交感神経系は胃液分泌の亢進にも働きます。そのため、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を妨げることで、その働きを抑える成分(抗コリン成分)が、胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)を鎮めること(鎮痛鎮痙)のほか、胃酸過多や胸やけに対する効果も期待して用いられます。
同様の作用を示す成分として、臭化メチルベナクチジウム、臭化メチルオクタトロピン、塩化ジサイクロミン塩酸塩、塩酸オキシフェンサイクリミン、臭化チキジウム、ロートエキス(ロートコンの抽出物)等があります。

2:塩酸パパベリンは消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示します。抗コリン成分と異なり、胃液分泌を抑える作用は見出されません。
また抗コリン成分と異なり自律神経系を介した作用ではありませんが、眼圧を上昇させる作用を示すことが知られおり、緑内障の診断を受けた人では、症状の悪化を招くおそれがあります。

3:オキセサゼインは局所麻酔成分のひとつです。消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙の効果を期待して、配合される場合があります。
オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用されます。

4:ロートエキスは抗コリン成分のひとつです。ロートエキスに限らず、胃腸鎮痛鎮痙薬に配合される抗コリン成分では、副交感神経系の働きを抑える作用は消化管に限定されないため、散瞳による目のかすみや異常な眩しさ、顔のほてり、頭痛、眠気、口渇、便秘、排尿困難等の副作用が現れることがあります。

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03

1 誤りです。
臭化ブチルスコポラミンは、胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)を鎮め、胃酸過多や胸やけに対する効果を期待して胃腸鎮痛鎮痙薬に配合される抗コリン成分です。
急な胃腸の痛みは、主として胃腸の過剰な働き(痙攣)によって生じます。消化管の運動は副交感神経の刺激によって亢進し、副交感神経系は胃液分泌の亢進にも働くため、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を抗コリン成分を使用して抑えます。

2 誤りです。
塩酸パパベリンは、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示します。抗コリン成分とは異なり、胃液分泌を抑制する作用はありません。
しかし、眼圧を上昇させる作用を示すことが知られているため、緑内障の診断を受けた人では、症状の悪化を招く恐れがあるため、使用の適否について医師または薬剤師に相談することが必要です。

3 正しいです。
局所麻酔作用および胃液分泌抑制作用があるため、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用されます。
しかし、精神神経系の副作用として、頭痛、眠気、めまい、脱力感が現れることがあります。また、妊娠中や小児における安全性は確立されていないため、妊婦または妊娠していると思われる女性、15歳未満の小児では、使用を避けることとされています。

4 正しいです。
その他、排尿困難の症状のある人、心臓病または緑内障の診断を受けた人では、症状の悪化を招く恐れがあるので、使用に関して医師または薬剤師に相談することが必要です。
また、吸収された成分の一部が母乳に移行して乳児の脈が速くなる恐れがあるため、母乳を与えている女性は使用を避けるか、使用期間中の授乳を避ける必要があり、ロートエキスの影響により、母乳が出にくくなることもあります。

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04

正解は3,4です。

誤っている選択肢については以下のとおりです。
1→臭化ブチルスコポラミンは、副交感神経伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を妨げることで胃痛、腹痛などを鎮めます。胃酸過多や胸やけに対する効果も期待されます。

2→塩酸パパべリンは、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸のけいれんを鎮めます。眼圧を上昇させる作用があるため、緑内障の診断を受けた人では緑内障が悪化する可能性があります。

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05

正解:3.4

1 ×:副交感神経系の刺激により、消化管の運動や胃液分泌が亢進されますが、臭化ブチルスコポラミンにはそれらの働きを抑える作用があります(抗コリン作用)。

2 ×:塩酸パパべリンは消化管の平滑筋が直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用があるとされています。抗コリン作用はありませんが眼圧を上昇させることが知られています。

3 ○

4 ○:抗コリン作用を持つ成分を含む一般用医薬品に一般的に当てはまる副作用といえます。

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