登録販売者の過去問
平成25年度(地域2)
主な医薬品とその作用 問56
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問題
登録販売者試験 平成25年度(地域2) 主な医薬品とその作用 問56 (訂正依頼・報告はこちら)
漢方処方製剤に関する記述について、正しいものはどれか。
- 陰陽五行説は、人体の臓器を五臓六腑に分け、それぞれの臓器が相互に作用し合って生体のバランスを取っている、という考え方に基づいて処方を選択する考え方である。
- 虚証とは、体内の臓器を働かせるエネルギーの貯蔵量が少ない体質(虚弱体質(体力の衰えている人、体の弱い人))をいい、実証とは、そうしたエネルギーの貯蔵量が多い体質(比較的体力がある状態)をいう。
- 一般用医薬品として販売される漢方処方製剤は作用が穏やかなので、重篤な副作用が起きることはない。
- 漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこととされている。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:設問のとおり。
平成19年版の「登録販売者 試験問題の作成に関する手引き」では、「漢方の考え方として重要なものは、患者の証(体質及び症状)及び陰陽五行説である」とし、患者の証については「体質を虚証と実証とに分類し」、症状については「陰病と陽病とに分類される」、また陰陽五行説については記載のとおりの解説がされています。
平成26年版の「試験問題の作成に関する手引き」では、該当部分に大きく改訂が加えられています。
「漢方薬を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要である」「漢方の病態認識には虚実、陰陽、気血水、五臓などがある」と表現が変更され、「気血水」の概念も加えられました。
気血水については、「口渇があり、尿量が減少するもの」(水毒)、「皮膚の色つやが悪く」(血虚)などの表現が例として紹介されています。
2:設問のとおり。これも平成19年版の「試験問題の作成に関する手引き」に見られる解説で、平成26年版では削除されています。虚証・実証の理解は、これで間違いありません。
平成26年版では一般用医薬品における虚実の概念の表現方法を取り上げています。
実症:体力が充実して
中間症:体力中等度で
虚症:体力虚弱で
虚実に関わらず幅広く用いられるもの:体力に関わらず
3:一般の医薬品購入者では、「漢方薬はすべからく作用が穏やかで、副作用が少ない」といった誤った認識がされていることがあり、副作用を見過ごす要因となっています。しかし医療用・一般用に関わらず、漢方処方製剤でも間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがあり、また、証に適さない漢方処方製剤が使用されたために、症状の悪化や副作用を引き起こす場合もあります。
4:設問のとおり。一般用の漢方処方製剤では、乳幼児や小児の用法用量は年齢区分別に設定されている場合が多く、適用年齢の下限は「○才未満:服用しないこと」との記載で示されています。このように明記されていなくても、一般用の漢方処方製剤は生後3ヶ月未満の乳児には使用しないことになっています。
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02
誤っている3についてですが、副作用が起こる可能性があります。実際、小柴胡湯と間質性肺炎の例やオウバク末、カンゾウ末、チンピ末、アセンヤク末配合剤と肝機能障害の例が報告されています。
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03
1 その通りです。漢方薬を使用する人の症状や臓器の状態を十分に踏まえて処方されることが望ましいです。
2 その通りです。患者さんの証に合った漢方処方が選択されれば効果が期待できますが、合わないものが選択された場合には、効果が得られないばかりか副作用を招きやすくなります。
3 漢方処方製剤でも、間質性肺炎や肝機能障害といった重篤な副作用が起きることがあります。
4 その通りです。漢方薬は副作用が少ない、などといった安易な考えで使用することは避ける必要があります。
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