通関士の過去問
第50回(平成28年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問88

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問題

通関士試験 第50回(平成28年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問88 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税法第8章に規定する不服申立てに関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。
  • 税関長は、本邦に輸入されようとする貨物のうちに風俗を害すべき書籍に該当すると認めるのに相当の理由がある貨物があるときは、当該貨物を輸入しようとする者に対し、その旨を通知しなければならないが、当該貨物を輸入しようとする者は、当該通知に不服がある場合であっても、再調査の請求をすることができない。
  • 関税の確定に関する税関長の処分に不服がある者は、再調査の請求をすることができる。
  • 関税法又は他の関税に関する法律の規定による税関職員の処分は、再調査の請求に関する規定の適用に関しては、当該職員の属する税関の税関長がした処分とみなすこととされている。
  • 関税法の規定による税関長の処分について審査請求が行われた場合であっても、行政不服審査法第46条第1項(処分についての審査請求の認容)の規定により審査請求に係る処分( 法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分及び事実上の行為を除く。)の全部を取り消すとき( 当該処分の全部を取り消すことについて反対する旨の意見書が提出されている場合及び口頭意見陳述においてその旨の意見が述べられている場合を除く。)は、財務大臣は、関税等不服審査会に諮問する必要はない。
  • 関税の徴収に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経ることなく提起することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:2・3・4

2・・関税法第89条第1項、行政不服審査法第2条、第5条第1項により正しい文章です

3・・関税法第89条第2項により関税法又は他の関税に関する法律の規定による税関職員の処分は、再調査の請求に関する規定の適用に関しては、当該職員の属する税関の税関長がした処分とみなすこととされています

4・・関税関係法令の規定による財務大臣又は税関長の処分について審査請求があったときは関税等不服審査会に諮問しなければなりませんが、例外として
・審査請求人から、その諮問を希望しない旨の申出がされている場合
・審査請求が不適法であり、却下する場合
・審査請求に係る処分の全部を取り消す場合
があります。今回の設問では3つめに該当するため正しい文章です

(誤:1・5)

1・・税関長が関税関係法令の規定に基づいてした処分について不服がある者は、関税法第11章の規定による税関長の処分を除き、当該処分の違法又は不当を理由として、再調査の請求をすることができることになっています

5・・関税法第93条により当該処分又は通知についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、その取消しの訴えを提起することができないこととなっています

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02

正答は2・3・4です。

2・・関税法第89条第1項、行政不服審査法第2条、第5条第1項により正しい文章です。

再調査の請求を含む不服申立ては関税法その他の関税に関する法律の規定による税関長の処分へ不服がある場合に行うことができ、「税関長の処分」には関税の確定に関する処分の他に加算税の賦課決定、納税の告知、滞納処分が含まれます。

3・・関税法第89条第2項により関税法又は他の関税に関する法律の規定による税関職員の処分は、再調査の請求に関する規定の適用に関しては、当該職員の属する税関の税関長がした処分とみなすこととされています。再調査の請求だけでなく税関長の処分は税関長の名の下に税関職員が行うため、税関職員の処分は税関長がした処分とみなされます。

4・・関税関係法令の規定による財務大臣又は税関長の処分について審査請求があったときは関税等不服審査会に諮問しなければなりませんが、例外として

・審査請求人から、その諮問を希望しない旨の申出がされている場合

・審査請求が不適法であり、却下する場合

・審査請求に係る処分の全部を取り消す場合

があります。今回の設問では3つめに該当するため正しい文章です。

(誤:1・5)

1・・税関長が関税関係法令の規定に基づいてした処分について不服がある者は、関税法第11章の規定による税関長の処分を除き、当該処分の違法又は不当を理由として、再調査の請求をすることができることになっています。

犯則事件の調査および処分に該当する事案は司法処分に相応するため、関税法(犯則事件の調査および処分)の規定にかかる処分に対しては、再調査の請求を含む不服申立てはできません。

5・・関税法第93条により当該処分又は通知についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、その取消しの訴えを提起することができないこととなっています。

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03

関税法に規定されている、不服申立てに関する問題です。

選択肢1. 税関長は、本邦に輸入されようとする貨物のうちに風俗を害すべき書籍に該当すると認めるのに相当の理由がある貨物があるときは、当該貨物を輸入しようとする者に対し、その旨を通知しなければならないが、当該貨物を輸入しようとする者は、当該通知に不服がある場合であっても、再調査の請求をすることができない。

誤った内容です。

この法律又は他の関税に関する法律の規定による税関長の処分に不服がある者は、再調査の請求をすることができます。

(関税法第89条第1項) 

選択肢2. 関税の確定に関する税関長の処分に不服がある者は、再調査の請求をすることができる。

正しい内容です。

この法律又は他の関税に関する法律の規定による税関長の処分に不服がある者は、再調査の請求をすることができます。

(関税法第89条第1項) 

選択肢3. 関税法又は他の関税に関する法律の規定による税関職員の処分は、再調査の請求に関する規定の適用に関しては、当該職員の属する税関の税関長がした処分とみなすこととされている。

正しい内容です。

この法律又は他の関税に関する法律の規定による税関職員の処分は、当該職員の属する税関の税関長がした処分とみなすと規定されております。

(関税法第89条第2項)

選択肢4. 関税法の規定による税関長の処分について審査請求が行われた場合であっても、行政不服審査法第46条第1項(処分についての審査請求の認容)の規定により審査請求に係る処分( 法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分及び事実上の行為を除く。)の全部を取り消すとき( 当該処分の全部を取り消すことについて反対する旨の意見書が提出されている場合及び口頭意見陳述においてその旨の意見が述べられている場合を除く。)は、財務大臣は、関税等不服審査会に諮問する必要はない。

正しい内容です。

関税法の規定による税関長の処分について審査請求が行われた場合であっても、審査請求に係る処分の全部を取り消すときは、財務大臣は、関税等不服審査会に諮問する必要はないと規定されております。

(関税法第91条第1項3号)

選択肢5. 関税の徴収に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経ることなく提起することができる。

誤った内容です。

関税の確定若しくは徴収に関する処分又は滞納処分は、審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができません。

(関税法第93条第1項)

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