通関士の過去問
第50回(平成28年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問101

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問題

通関士試験 第50回(平成28年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問101 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税暫定措置法第8条の2に規定する特恵関税制度に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選びなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」をマークしなさい。
  • 特恵受益国等を原産地とする物品( 以下「 特恵受益国原産品 」という。)について、特恵関税の適用を受けようとする者は、特恵受益国の権限ある当局が発給する原産地証明書に加えて、当該物品が特恵受益国原産品であることを明らかにする書類を自ら作成し、輸入申告の際に税関長に提出しなければならない。
  • 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定において関税の譲許が定められている物品であって、当該協定の我が国以外の締約国のうち特別特恵受益国を原産地とするものについては、特恵関税の適用を受けることができない。
  • 特別特恵受益国を原産地とする物品に課される特恵関税率は、関税率表別表に掲げるすべての物品について適用される。
  • 特恵受益国原産品が、特恵受益国から非原産国を経由して本邦へ向けて運送される場合において、当該非原産国において運送上の理由による積替え及び一時蔵置が行われたときは、特恵関税の適用を受けることができない。
  • 特恵関税の適用を受けようとする物品の輸入申告の際に原産地証明書を税関長に提出する必要がない場合は、税関長が物品の種類若しくは形状によりその原産地が明らかであると認めた物品又は課税価格の総額が20万円以下の物品である場合に限られる。
  • 該当なし

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は6です(すべて誤り)。

1原産地証明書を税関長に提出すればよく、自ら作成した当該物品が特恵受益国原産品であることを明らかにする書類の提出は求められていません。

 なお、特恵原産地証明書は、原産地の税関、発給権限を有するその他の官公署又は商業会議所、その他これに準ずる機関が輸出の際に発給されたものをさします。

2包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定(日・ASEAN EPA)税率と特恵税率の、いずれかを適用することができます。

3国内産業の事情から、適用がされないものもあります。例えば皮革、衣類、履物などが適用除外品目です。

4運送上の理由による積替え、及び一時蔵置である場合等には、特恵税率は適用されます。

5特恵関税の適用を受けようとする物品の輸入申告の際に原産地証明書を税関長に提出する必要がない場合は、

税関長が物品の種類若しくは形状によりその原産地が明らかであると認めた物品又は課税価格の総額が20万円以下の物品である場合、特例申告貨物の場合です。

 ただし、自国加工品、累積加工品、原産国から第三国を経由して輸入する場合は原産地証明書が必要です。 

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02

正解は6です(すべて誤り)。

1原産地証明書を税関長に提出すればよく、設問のような書類の提出は求められていません。

2EPA税率と特恵税率の、いずれかを適用することができます。

3国内産業の事情から、適用がされないものもあります。

4運送上の理由による積替え、及び一時蔵置である場合等には、特恵税率は適用されます。

5特例申告貨物の場合も、原産地証明書の提出は必要ありません。

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03

関税暫定措置法に規定されている特恵関税制度に関する問題です。

選択肢1. 特恵受益国等を原産地とする物品( 以下「 特恵受益国原産品 」という。)について、特恵関税の適用を受けようとする者は、特恵受益国の権限ある当局が発給する原産地証明書に加えて、当該物品が特恵受益国原産品であることを明らかにする書類を自ら作成し、輸入申告の際に税関長に提出しなければならない。

誤った内容です。

税関長は特恵受益国等の権限ある当局または当該貨物の輸出者若しくは生産者に対し、当該貨物について質問し、又は当該貨物が特恵受益国等原産品であることを明らかにする資料の提供を求める方法により確認するとあります。

したがって、問題文は「または」となっておりますので誤った内容となります。

(関税暫定措置法第8条の4第1項第2号)

選択肢2. 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定において関税の譲許が定められている物品であって、当該協定の我が国以外の締約国のうち特別特恵受益国を原産地とするものについては、特恵関税の適用を受けることができない。

誤った内容です。

包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定税率と特恵税率の、いずれかを適用することが可能です。

(関税暫定措置法第8条の2)

選択肢3. 特別特恵受益国を原産地とする物品に課される特恵関税率は、関税率表別表に掲げるすべての物品について適用される。

誤った内容です。

一部例外品目(関税暫定措置法別表第4)がありますのですべての物品について適用されるというのは誤った内容です。

選択肢4. 特恵受益国原産品が、特恵受益国から非原産国を経由して本邦へ向けて運送される場合において、当該非原産国において運送上の理由による積替え及び一時蔵置が行われたときは、特恵関税の適用を受けることができない。

誤った内容です。

その原産地である特恵受益国等から非原産国を経由して本邦へ向けて運送される物品で、当該非原産国において運送上の理由による積替え及び一時蔵置以外の取扱いがされなかつたものについては適用されないと規定されております。

したがって、本問題に限り適用されるということですので誤った内容です。

(関税暫定措置法施行令第31条第1項第2号)

選択肢5. 特恵関税の適用を受けようとする物品の輸入申告の際に原産地証明書を税関長に提出する必要がない場合は、税関長が物品の種類若しくは形状によりその原産地が明らかであると認めた物品又は課税価格の総額が20万円以下の物品である場合に限られる。

誤った内容です。

特恵受益国等を原産地とする物品について、特恵関税の適用を受けようとする者は、当該物品が特恵受益国原産品であることを証明した書類を税関長に提出しなければならない。

ただし、次に掲げる物品については、この限りでない。
一 税関長が物品の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた物品
二 課税価格の総額が二十万円以下の物品
三 特例申告貨物である物品

(関税暫定措置法施行令第27条第1項)

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