第一種電気工事士の過去問
平成27年度（2015年）
一般問題 問12

　この問題では、元の消費電力から電熱器の抵抗を出し、別の条件での熱量の求め方を聞いています。

　もし、消費電力と電力量と熱量の違いがよくわからない場合は、下の方に説明が書かれているので、見てください。


　始めに電圧100[V]での抵抗を求めて行きます。やり方は色々ありますが、今回は電圧と消費電力から直接求めて行きます。

　抵抗R[Ω]と電圧V[V]を用いて消費電力P[W]を求める公式は、
『P＝V² / R』となります。

この式から抵抗を求める公式に変形させると、
『R＝V² / P』となります。

そこで、定格電圧と定格消費電力の値を代入すると、

『100² / 1000』　※1[kW]＝1000[W]に変化
　　　↓
『10000 / 1000＝10[Ω]』

となり、問題の電熱器の抵抗値は10[Ω]だと求まりました。

　次に、電圧90[V]の場合での消費電力を求めて行きます。そこで、先程の消費電力を求める公式『P＝V² / R』を利用して計算すると、

『90² / 10』
　　↓
『8100 / 10＝810[W]』

となり、電源電圧90[V]の場合の消費電力が810[W]だと分かりました。

　最後に、今求めた消費電力から発生熱量を求めて行きます。そこで、使用した時間が10分となっているため、これを秒に直すと、
『10×60＝600[秒]』となります。

これに先程の消費電力をかけると、
『810×600=486000[W･s]=486000[J]』となります。

そこから単位を直すと、発生熱量は486[kJ]となり、答えは3番となります。


-----消費電力と電力量と熱量の違い------
　電力量と熱量は基本的には同じものになります。この2つは、消費電力にどれだけの時間使われたものかを表したものです。

　2つの違いは、時間の単位によるものです。電力量は、時間[h]なのに対し熱量は、秒[s]で表されます。

　そのため、電力量は[W･h]または[kW･h]と表します。逆に熱量は[W･s]と本来は表すのですが、
『[W･s]＝[J(ジュール)]』という関係になっているので、多くの問題で熱量は、[J]または[kJ]と表させるのです。

　なので、熱量は『[W･s]＝[J]』という単位の関係式を覚えておくと電力量と混ざらないで考えられると思います。

この問題では、元の消費電力から電熱器の抵抗を出し、別の条件での熱量の求め方を聞いています。


　まずは電力Pを求めます。抵抗R[Ω]と電圧V[V]を用いて電力P[W]を求める公式は、
　P＝V² / R
R=に式変形
　R＝V² / P

100² / 1000
10000 / 1000
＝10[Ω]

R=10[Ω]だと求まります。

　次に、電圧90[V]の場合での消費電力を求めて行きます。
先程の消費電力を求める公式P＝V² / Rを利用して計算すると、

90² / 10
8100 / 10＝810[W]

P=810[W]だと分かりました。

　最後に、今求めた消費電力から発生熱量を求めて行きます。
使用した時間が10分となっているため、これを秒に直すと、
10×60＝600[s]となります。

これに消費電力をかけると、
810×600=486000[W･s]=486000[J]となります。

そこから単位を直すと、発生熱量は486[kJ]となり、答えは３番となります。

答えは（3）486[kJ]です。

電熱器の抵抗値R[Ω]は、電力P＝V²/Rから、

R=V²/P=100²[V]/1000[W]=10000/1000=10[Ω]

(1[kW]=1000[W])

電圧が90[V]の時の消費電力Pは、

R＝V²/P＝90²[V]/10[Ω]＝8100／10＝810[W]=0.81[kW]

(Kキロ＝1000＝10³）

10分間は10/60時間であり、1[kW・h]は3600[kJ]となります。

（1[kW・h]=1000[W]×3600[s]=3600×1000[Ws]=3600×1000[J]=3600[kJ]）

発生熱量は、

3600×0.81×（10／60）＝600×0.81＝486[kJ]となります。