第一種電気工事士の過去問
令和2年度(2020年)
一般問題 問33
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問題
第一種 電気工事士試験 令和2年度(2020年) 一般問題 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
図は、自家用電気工作物構内の受電設備を表した図である。この図に関する以下の問いに対して、答えを1つ選びなさい。
(注)図において、問いに関連した部分及び直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。
④に示す高圧ケーブル内で地絡が発生した場合、確実に地絡事故を検出できるケーブルシールドの接地方法として、正しいものは。
(注)図において、問いに関連した部分及び直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。
④に示す高圧ケーブル内で地絡が発生した場合、確実に地絡事故を検出できるケーブルシールドの接地方法として、正しいものは。
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この過去問の解説 (3件)
01
答えは(1)番です。
まずこの問題を解説するうえで
零相変流器の仕組みを簡単にご説明します。
分かりやすいので単相回路で解説しますが、
まず電流と言うのは行き帰りがあると思います。
行って帰ってくる電流と言うのは勿論大きさが同じはずです。
そして、ZCTというのは簡単に言うと変圧器と似たような物で
鉄心に電線を通し、
電流の周りに発生する磁界を利用します。
電流が行って帰ってくるとベクトルの向きが逆になるので
磁界が打ち消しあいます。
これにより普段は鉄心に磁力が通らず電磁誘導が起りませんが、
地絡などによりバランスが崩れると磁界が鉄心を通り
ZCTに起電力が発生、これが地絡を検出した状態です。
ですから、ケーブル内の地絡を検出したいのであれば
ケーブル地絡時の電流の流れを明確にイメージする必要があります。
ちなみに高圧ケーブルはケーブルで地絡した際に
シールドが電流の帰路となる性質があります。
ですからこれを踏まえ正解を探します。
1,まず電流は電源から負荷側に電流が流れます
ここで電流が一回ZCTを通り(行き)。
仮にその先のケーブルで地絡があった場合、
電流はシールドを通ってアース線まで向かいます(帰り)
ここでまたZCTを通りこの時点では磁界は打ち消しあっていますが
アース線がまたZCTを通ってます(行き)から、
これで磁界バランスは崩れZCTに起電力が発生します。
よってこれは地絡発生時にしっかり地絡を検出できると言えます。
ですから正解は1番です。
2,これは仮にケーブルで地絡があった場合
電線もしくはシールドを通りZCTを一回通過(行き)
その後アース線を通ってZCTをもう一度通り(帰り)ます。
これではケーブルで地絡があった場合、
ZCTが上手く検出できません
ですから2番は不正解です。
3,3番は1番のアース線をZCTを通さなかった形の配線になっています。
電流が行ってシールドを通って帰ってくる所までは
1番と一緒ですが、
アース線をZCTに通していませんからこれでは
磁界バランスが崩れず地絡を検出できません
ですから3番は不正解です。
4,少し複雑ですが、
ケーブルで地絡が発生した場合
電源側のアースを通ってそもそもZCTを通らないか
電流が一度ZCTを通って負荷側に向かい(行き)
そこからアース線をとおり電流がもう一度ZCTを通って
地面に流れるか(帰り)の2通りになると思います。
これもZCTで上手くケーブルの地絡を検出、
出来ていませんので4番も不正解です。
ちなみに両端接地は両方のアース線に地絡電流が分流する関係で
ZCTが上手く検出できない可能性があり、
仮にしっかり配線されていた場合でも
無い訳ではないですが一般にはあまり利用されません。
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02
ZCT(零相変流器)で高圧ケーブルの地絡電流を検出するときには、
高圧ケーブルの遮へい層に地絡電流が流れた時でも、
ZCTが正しく検出できるように、
・ZCTより負荷側の点を負荷側で接地する。
・ZCTより電源側の点を設置する場合は、ZCTに接地線を通過させて、
負荷側に接地する。
といった条件があり、2つの条件を満たすものは(1)ですので、
答えは(1)です。
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03
答えは(1)です。
ZCTは零相変流器です。
地絡電流を検出するものですので、接地線は必ず零相変流器を経由します。
地絡電流を検出した際は、地絡継電器を経て遮断器を動作させて電路を遮断します。
2)の場合、接地回路が負荷側と回路を共有しているため地絡事故を検出した場合に負荷側を保護できません。
3)の場合、地絡回路が零相変流器を経ていないため、地絡事故を検出できずに負荷側を保護できません。
4)の場合、(2)と(3)の複合回路となっており、この場合も地絡事故時に負荷側を保護できません。
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