第一種電気工事士の過去問
令和3年度(2021年) 午前
一般問題 問12
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問題
第一種 電気工事士試験 令和3年度(2021年) 午前 一般問題 問12 (訂正依頼・報告はこちら)
変圧器の損失に関する記述として、誤っているものは。
- 銅損と鉄損が等しいときに変圧器の効率が最大となる。
- 無負荷損の大部分は鉄損である。
- 鉄損にはヒステリシス損と渦電流損がある。
- 負荷電流が2倍になれば銅損は2倍になる。
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この過去問の解説 (4件)
01
正解は4です。
変圧器の損失について・・・
●変圧器の効率
変圧器の出力と入力との比を変圧器の効率といいます。
損失が大きくなると変圧器の効率は小さくなり、銅損と鉄損が等しいとき変圧器の効率は最大効率となります。
●無負荷損
変圧器の巻線に定格電圧が加わっている場合、負荷が接続されていない時でも励磁電流(磁界を作り磁場を発生させるための電流)による損失がつねに電力として供給されます。
この損失は無負荷損といい大部分は鉄損です。
●鉄損と銅損
鉄損には、ヒステリシス損と渦電流損があります。
銅損には、抵抗損と漂遊負荷損があります。
●負荷電流と銅損
銅損(抵抗損)=RI2となるので、変圧器の銅損は負荷電流の2乗に比例します。
4の負荷電流が2倍になれば銅損は2倍になる。とありますが、負荷電流が2倍になれば銅損は4倍になります。
なので4が正解とわかります。
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02
まず正解ですが、選択肢 4 が誤っている記述です。
負荷電流が2倍になれば銅損は2倍ではなく4倍になります。
銅損 P(W)=I2×R
また、変圧器の損失の特徴として
1 .銅損と鉄損が等しいときに変圧器の効率が最大となる。
その通りです。
整数の最小定理より
二つの正の整数A及びBについて、A×B=一定ならばA=BのときA+Bは最小となります。
例 2X2=4 1X4=4 4X1=4 の場合 AB共2の時がA+Bが最小です。
このことから、銅損と鉄損が等しい時に効率は最大となります。
2 .無負荷損の大部分は鉄損である。
負荷電流が流れてなくても鉄損は発生します。
無負荷損と言えば鉄損、負荷損と言えば銅損と考えても良いです。
3 .鉄損にはヒステリシス損と渦電流損がある。
その通りです。
磁束の交番によって発生する損失です。
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03
変圧器の特性について問う問題で、選択肢4が誤りとなります。
1.銅損と鉄損が等しいときに変圧器の効率が最大となる。
⇨正しいです。変圧器の効率に関する式を解くことで証明されますが、特性として暗記した方が早いです。
2.無負荷損の大部分は鉄損である。
⇨正しいです。無負荷損には鉄損の他に、誘電体へ交番電界を与えた時に一部が熱になる誘電体損や、励磁電流による巻線抵抗などがあります。が、いずれも鉄損に比べると無視できるほど小さいです。
3.鉄損にはヒステリシス損と渦電流損がある。
⇨正しいです。
ヒステリシス損は鉄が持つヒステリシス特性により、印加した磁界の一部が鉄中に残留磁気として残り、活用できない分のエネルギーを指します。
渦電流損は、鉄中の磁界により発生する渦電流がジュール熱として消費される損失です。
4.負荷電流が2倍になれば銅損は2倍になる。
⇨誤りです。銅損はジュール熱であるため負荷電流の二乗に比例します。よって負荷電流が2倍になれば銅損は4倍になります。
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04
答えは(4)「負荷電流が2倍になれば銅損は2倍になる。」です。
銅損は負荷電流の2乗に比例するので、負荷電流が2倍になると4倍になります。
以下の条件は正です。
1)銅損と鉄損が等しいときに変圧器の効率が最大となる。
2)無負荷損の大部分は鉄損である。
3)鉄損にはヒステリシス損と渦電流損がある。
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