第一種電気工事士の過去問
令和3年度(2021年) 午後
一般問題 問6
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問題
第一種 電気工事士試験 令和3年度(2021年) 午後 一般問題 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
図のような、三相3線式配電線路で、受電端電圧が6700V、負荷電流が20A、深夜で軽負荷のため力率が0.9(進み力率)のとき、配電線路の送電端の線間電圧[V]は。
ただし、配電線路の抵抗は1線当たり0.8Ω、リアクタンスは1.0Ωであるとする。
なお、cosθ=0.9のときsinθ=0.436であるとし、適切な近似式を用いるものとする。
ただし、配電線路の抵抗は1線当たり0.8Ω、リアクタンスは1.0Ωであるとする。
なお、cosθ=0.9のときsinθ=0.436であるとし、適切な近似式を用いるものとする。
- 6700
- 6710
- 6800
- 6900
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この過去問の解説 (3件)
01
進み力率負荷の三相交流回路における送電端電圧と受電端電圧には以下関係があります。
送電端電圧=√3I(Rcosθ-XLsinθ)+受電端電圧 ・・・①
①式に種々の既知パラメータを代入し、計算すると、
送電端電圧=√3*20(0.8×0.9-1.0×0.436)+6700
≒6710 [V]
と求められます。
なお一般的に負荷は遅れ力率であることがほとんどです。
(負荷回路における電線が、巨大なコイルを作り出しているように振る舞うため)
遅れ負荷であれば、送電端電圧と受電端電圧の関係は以下の通りとなります。
送電端電圧=√3I(Rcosθ+XLsinθ)+受電端電圧 ・・・②
※誘導負荷における電圧と回路全体の電圧の位相が同方向のため、加算となります。
しかし設問のように、夜間等は負荷が減り送電線が生み出すキャパシタンス成分が優勢となることがあります。
(送電線路において、電線と地面が巨大なコンデンサとなるように振る舞うため)
この場合は誘導負荷と回路全体の電圧の位相が逆方向に作用するため、減算となります。
負荷が遅れ力率か進み力率かによって、式が異なりますので注意しましょう。
(詳細はベクトル図を用いて整理すると分かりやすいですが、要するに回路全体においてリアクタンス成分が優勢に働くか、不利になるか、といった目線で覚えると楽かもしれません)
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02
今回は進み力率であるというところに注意が必要です。
これで式の符号が変わります。
電流 I、抵抗 r、リアクタンス x、電圧降下 v とします。
まず電圧降下vの式として
v=√3・I・(rcosθ+xsinθ) (V)
ここで、上記式は遅れ力率の場合の式です。
進み力率の場合は、
v=√3・I・(rcosθ–xsinθ) (V)
となります。
したがって
v=√3・I・(rcosθ–xsinθ) (V)
=√3・20・(0.8・0.9–1・0.436)
=√3・20・(0.72–0.436)
=√3・20・(0.284)
=√3・5.68
=9.82
≈10(V)
これが、電圧降下の電圧となります。
したがって、送電端電圧は
6700+10 = 6710 (V)
解答欄の 2 が正解となります。
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03
答えは(2)「6710[V]」です。
問いの線路での電圧降下は以下の式で表されます。
v=√3I(rcosθ-x sinθ)※sinθは遅れ力率時にプラスになります。今回は進み力率時なのでマイナスになります。
式に問いの値を代入すると、
v=√3x20(0.8x0.9-1.0x0.436)
v=√3x20x0.284
v=√3x5.68≒10[V]
従って、線間電圧は、
Vs=Vr+v=6700+10=6710[V]
となります。
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