第一種電気工事士の過去問
令和3年度(2021年) 午後
一般問題 問20
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問題
第一種 電気工事士試験 令和3年度(2021年) 午後 一般問題 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
高圧電路に施設する避雷器に関する記述として、誤っているものは。
- 雷電流により、避雷器内部の高圧限流ヒューズが溶断し、電気設備を保護した。
- 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力500kWの需要場所の引込口に施設した。
- 近年では酸化亜鉛(ZnO)素子を使用したものが主流となっている。
- 避雷器にはA種接地工事を施した。
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この過去問の解説 (3件)
01
雷サージ対策に関する問題です。
1 .雷電流により、避雷器内部の高圧限流ヒューズが溶断し、電気設備を保護した。
限流ヒューズは短絡電流保護用の機器のため、避雷器には使用されていません。よって本選択肢が誤りです。
2 .高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力500kWの需要場所の引込口に施設した。
避雷器は避雷器の二次側の回路を保護する目的で設置されます。よって、引き込み口に設置する必要があります。
3 .近年では酸化亜鉛(ZnO)素子を使用したものが主流となっている。
酸化亜鉛には非直線生の電圧-電流特性があり、低電圧時は絶縁体、高電圧時は導体として振る舞います。避雷器には、通常時電流が流れず、雷サージ(高電圧)発生時のみ雷電流を流したいので、酸化亜鉛素子が使用されます。
4 .避雷器にはA種接地工事を施した。
高圧用の電気機器外箱や避雷器にはA種接地工事を施すことが定められています。
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02
答えは(1)「雷電流により、避雷器内部の高圧限流ヒューズが溶断し、電気設備を保護した。」です。
避雷器の機能として、雷などの異常な過大電圧が加わった場合、過大電圧に伴う電流を大地へ分流することによって過大電圧を制限します。
また、過大電圧が過ぎ去った後には、電路を速やかに健全な状態に回復させる役割があります。
問い中の高圧限流ヒューズは、短絡電流を遮断する目的で使用されます。
ヒューズが溶断すると電路を回復することができなくなるため、誤りとなります。
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03
高圧電路に施設する避雷器に関する記述として、誤っているものの選択です。
1 .雷電流により、避雷器内部の高圧限流ヒューズが溶断し、電気設備を保護した。
避雷器内部に高圧限流ヒューズは入っていません。
この記載はまちがっています。
2 .高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力500kWの需要場所の引込口に施設した。
避雷器は基本的に受電点になる引込口に設置します。
避雷器内臓のPAS等を設置します。
3 .近年では酸化亜鉛(ZnO)素子を使用したものが主流となっている。
電流領域によって抵抗値が大きく変化し、常時印加される電圧では高抵抗であるため、
漏れ電流といわれる微少な電流しか流れません。
電圧の上昇にともない、抵抗率が大きく低下し、サージエネルギーを吸収します。
4 .避雷器にはA種接地工事を施した。
避雷器の接地はA種接地で、電線太さが14㎟以上となります。
したがって、解答欄の 1 が正解となります。
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