第一種電気工事士 過去問
令和6年度（2024年）
問48 (配線図問題 問8)

この機器は高圧設備で使用され、負荷開閉と過電流遮断の両方を行うことができます。指定された箇所に設置されている機器として適切です。
この選択肢は正解です。

断路器は回路の切り離しを目的とするスイッチであり、遮断能力を持たないため、過電流の遮断には使用できません。指定の機器には適していません。
この選択肢は不正解です。

高圧受電用開閉器は高圧負荷の開閉が主な役割ですが、過電流遮断機能がありません。この機器は指定箇所には適していません。
この選択肢は不正解です。

カットアウトは一般的に配電用として使用される機器であり、高圧負荷の開閉用途には適していません。指定の位置には適していません。
この選択肢は不正解です。

正しい選択です。限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器（PF付LBS; Load Break Switch）は、負荷電流が流れているときに回路を開放することができます。負荷側で短絡電流が発生したときは、ヒューズを切って対応します。

誤った選択です。断路器(DS; Disconect Switch)は、アーク放電を消滅させる機能がないので、負荷電流を切断することができません。また、短絡電流が生じたときに自動的に回路を切断することもできません。

誤った選択です。高圧気中負荷開閉器(PAS; Pole Air Switch)は、Airすなわち空気をアーク放電の消孤に使うスイッチです。負荷電流を切断できますが、短絡電流を切ることはできません。一般に高圧気中負荷開閉器は、配電線路から高圧受電設備への分岐点に設けられます。

誤った選択です。ヒューズ付高圧カットアウト(PF付PC; Primary Cutout switch)は、負荷電流が流れているときに線路を開放することができ、負荷側で短絡電流が発生したときは、ヒューズを切って対応することもできます。しかし、切断機能がLBSよりも劣るため、高圧進相コンデンサの保護の用途では定格容量が50kvarまでとされています。

限流ヒューズ付高圧負荷開閉器は負荷の遮断能力に加え、過電流の遮断能力も有しています。

よって、これが正解となります。

断路器は機器を電路から開閉する機器ですが、無負荷でのみ開閉できます。

負荷電流・過電流ともに遮断能力がありません。

よって、不適となります。

高圧気中負荷開閉器は、負荷電流の遮断能力はありますが、過電流の遮断能力はありません。

よって、不適となります。

ヒューズ付高圧カットアウトは、負荷電流、過電流の遮断能力を有しています。

しかし、使用できる負荷の定格容量に制限があり、変圧器300kV・A以下、コンデンサ50kVar以下のみ使用可能です。

問題の機器に接続されるコンデンサは定格容量100kVarですので、ヒューズ付高圧カットアウトは使用不可となります。

よって、不適となります。