一級建築士の過去問
平成28年(2016年)
学科4(構造) 問84

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

一級建築士試験 平成28年(2016年) 学科4(構造) 問84 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート構造における建築物の耐震計算に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 「ルート1」の計算において、コンクリートの設計基準強度を24N/mm2としたので、設計基準強度による割増し係数αを用いて、単位強度の割増しを行った。
  • 「ルート2-1」の計算において、柱及び梁の靱性を確保するため、地震力によって生じるせん断力を割増した設計用せん断力が、安全性確保のための許容せん断力を超えないことを確かめた。
  • 「ルート3」の計算において、両端ヒンジとなる梁部材の設計用せん断力の割増し係数を1.2とし、両端ヒンジとならない梁部材の設計用せん断力の割増し係数を1.1とした。
  • 「ルート3」の計算において、崩壊メカニズム時にせん断破壊した柱部材の種別をFDとした。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1:RC造耐震計算ルート1ではその他の規定の1つに各階の壁量・柱量の確保の規定があり、その算定式の中にコンクリートの設計基準強度Fcに応じた割増係数αがあります。
このαはFcが18N/mm²以上の時に√(Fc/18)で定めた値をαに代入し算定式の割増を行うことができます。

2:設問通りです
RC造耐震計算ルート2-1では柱及び梁の靭性確保のための柱及び梁の短期設計用せん断力Qdは規定される算定式によって求められる値Qdが許容せん断力を超えないことを確かめます。

3:誤りです
RC造耐震計算ルート3における梁の設計せん断力Qdの算定式に含まれる割り増し係数nは
・梁両端が塑性ヒンジとなる梁ではn≧1.1
・上記以外(例:柱端の塑性ヒンジ)の梁ではn≧1.2
と設定します。
またこの内容は建物全体が保有水平耐力時に相当する変形量に達する前にせん断破壊しないことを考慮する保証設計に基づきます。

4:設問通りです
RC造耐震計算ルート3では崩壊メカニズム時の柱・梁、耐力壁についてせん断破壊等構造上支障のある急激な耐力の低下の恐れのある破壊が生ずる部材の部材種別をFD(柱・梁)、WD(耐力壁)とします。

参考になった数8

02

1.適当です。
「ルート1」の計算では
耐力壁に使用するコンクリートの設計基準強度が18N/㎟を超える場合は
割増係数αを用いて単位強度の割増を行う事ができます。


2.適当です。
「ルート2-1」の計算では
柱及び梁の靭性を確保する為
地震力によって生じるせん断力を2倍に割増した設計用せん断力が
許容せん断力を超えない事を確かめる必要があります。


3.不適当です。
「ルート3」の計算では
梁部材の設計用せん断力の割増係数を以下の数値としています。

両端ヒンジの場合:1.1
両端ヒンジとならない場合:1.2


4.適当です。
「ルート3」の計算では
柱・梁部材はFA~FDで評価されます。
崩壊メカニズム時にせん断破壊した柱部材の種別はFDとなります。

参考になった数6

03

1. 設問の通り
Fc18N/㎟以上を使用する場合、割増係数αを用いて単位強度の割増しを行うことができます。(最大Fc36N/㎟まで)

  Fc<18N/㎟…α=1.0
  18N/㎟≦Fc≦36N/㎟…α=√Fc/18

2. 設問の通り

3. 誤り
梁の設計用せん断力の割増係数は、
  ・両端ヒンジとなる梁部材…1.1
  ・両端ヒンジ以外の梁部材…1.2

4. 設問の通り
柱・梁部材の種別は、FA〜FDで評価されます。
  FA…靭性[高] FD…靭性[低]

設問ではせん断破壊なので、靭性が低くFD、ということになります。

参考になった数4