二級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科3(建築構造) 問19

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問題

二級建築士試験 平成27年(2015年) 学科3(建築構造) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の耐震設計等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 偏心率は、各階の重心と剛心との距離(偏心距離)を当該階の弾力半径で除した値であり、その値が大きいほど、その階において特定の部材に損傷が集中する危険性が高いことを示している。
  • 建築物の固有周期は、構造物としての剛性が同じであれば、質量が大きいほど短くなる。
  • 各階における層間変形角の値は、一次設計用地震力に対し、原則として、1/200以内となるようにする。
  • 鉄骨構造における保有耐力接合は、接合する部材が十分に塑性化するまで、接合部で破断が生じないようにする接合である。
  • まれに発生する地震に対して、建築物が損傷しないようにすることは、耐震設計の目標の一つである。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。


1、偏心率は、各階の重心と剛心との距離(偏心距離)を当該階の弾力半径で除した値であり、その値が大きいほど、その階において特定の部材に損傷が集中する危険性が高いことを示しています。耐力壁などの配置が平面的に偏っていると重心と剛心のズレが大きくなり、変形やねじれなどが起こります。
したがって正しい記述となります。

2 、建物はそれぞれ高さや重さ・強さなどにより揺れやすい揺れ方(周期)が違い、それを固有周期といいます。建築物の固有周期は、構造物としての剛性が同じであれば、質量が大きいほど長くなります。
したがって誤った記述となります。

3 、各階における層間変形角の値は、一次設計用地震力に対し、原則として、1/200以内となるようにします。
また木造在来工法など地震力による構造耐力上、主要な部分の変形によって建築物の部分に著しい損傷が生ずるおそれのない場合には、「層間変形角が1/120以内であること」と定められています。
したがって正しい記述となります。

4 、鉄骨構造における保有耐力接合は、接合する部材が十分に塑性化するまで、接合部で破断が生じないようにする接合です。ちなみに塑性とは力が加わって変形したものが、力を取り除いても元の形に戻らず変形が残ることをいいます。
したがって正しい記述となります。

5、まれに発生する地震に対して、建築物が損傷しないようにすることは、耐震設計の目標の一つです。
したがって正しい記述となります。

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02

正解は2

剛性が同じ場合、建築物の固有周期は、
質量が大きくなれば、周期も大きくなります。
よって、誤りです。

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03

正解は2です。


1、偏心率=偏心距離/弾力半径
偏心率は重心と剛心とのズレがどれくらいあるかという数値で、値が大きいほどねじれを起こし特定の部材に損傷が集中する危険性が高いことを示しています。
したがって正しい記述となります。

2、建築物の固有周期は、構造物としての剛性が大きいほど、または質量が小さいほど短くなります。
したがって誤りの記述となります。

3、層間変形角 = 各階の層間変異 / 階高 です。
層間変形角は 1/200 以内となるようにする必要があります。
したがって正しい記述となります。

4、保有耐力接合は、接合する部材が十分に塑性化するまで接合部で破断が生じないようにする接合です。
接合部での破断が先に生じると脆性な破壊を引き起こしてしまいます。
したがって正しい記述となります。

5、耐震設計の目標として、
まれに発生する地震に対しては建築物が損傷しないように、
極めて稀に発生する地震に対しては建築物が塑性化しても良いが、倒壊・破壊してはならないとしています。
したがって正しい記述となります。

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