二級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科3(建築構造) 問23

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問題

二級建築士試験 平成27年(2015年) 学科3(建築構造) 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 常温における鋼材のヤング係数は、SS400材よりSN400材のほうが大きい。
  • 長さ10mの棒材は、常温においては、全長にわたって断面に一様に100N/mm2の引張応力を生ずる場合、約5mm伸びる。
  • 鋼材の硬さは、引張強さと相関があり、ビッカース硬さ等を測定することにより、その鋼材の引張強さを推定することができる。
  • 鋼材は、炭素含有量が多くなると、一般に、溶接性が低下する。
  • 建築構造用耐火鋼(FR鋼)は、一般の鋼材よりも高温時の強度を向上させ、600°Cにおける降伏点が常温規格値の2/3以上あることを保証した鋼材である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。


1、常温における鋼材のヤング係数は、鋼材の種別に関係なく一定となります。
したがって誤った記述となります。

2、常温における鋼材のヤング係数 E = 2.05 × 10^5 N/㎟ を用いて計算をします。
10,000 ㎜ × 100 N/㎟ ÷ (2.05 × 10^5 N/㎟) ≒ 5 ㎜
したがって正しい記述となります。

3、鋼材の硬さと引張強さには相関があります。ビッカーズ硬さとは硬さを表す量の一つで、試験面に正四角錐のダイヤモンドで作られたピラミッド形の圧子を押し込んでくぼみをつけ材料の硬さを計測することができます。
したがって正しい記述となります。

4、鋼材は、炭素含有量の増加とともに強度は増加しますが、一般に加工性や溶接性は低下します。
したがって正しい記述となります。

5、建築構造用耐火鋼(FR鋼)は、一般の鋼材よりも高温時の強度を向上させ、600°Cにおける降伏点が常温規格値の2/3以上あることを保証した鋼材です。
したがって正しい記述となります。

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02

正解は1です。


1、常温における鋼材のヤング係数は、SSやSNなど鋼材の種類に関係なく一定です。
したがって誤りの記述となります。

2、公式:伸び量 Δl = (応力度 × 長さ) / ヤング係数
応力度は 100 N/㎟
長さは 10000 mm
ヤング係数は 2.05 × 10^5 N / ㎟
公式に代入すると、
伸び量 Δl = (100×10000)/(2.05×10^5) ≒ 5mm
したがって正しい記述となります。

3、鋼材の硬さと引張強さとは相関関係があります。
硬いほど引張強いということです。
また硬さの測定には、相関ビッカース硬さ試験を用います。
したがって正しい記述となります。

4、 鋼材は炭素含有量が多くなると硬度が高くなる一方で溶接性が低下します。
したがって正しい記述となります。

5、建築構造用耐火鋼(FR鋼)は高温時の強度を向上させたものです。
降伏点が常温規格値の 2/3 以上なのは一般的には 350 ℃ であり、600 °C 以上を保証した鋼材をFR鋼と言います。
したがって正しい記述となります。

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03

正解は1

鋼材のヤング係数Eは常温の場合、
鋼材の種類にかかわらず、一定の値です。
よって、誤りです。

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