二級建築士の過去問
平成29年(2017年)
学科1(建築計画) 問7

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問題

二級建築士試験 平成29年(2017年) 学科1(建築計画) 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

日照・日射に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 我が国においては、北向き鉛直面に直達日射を受けない。
  • 窓の日射遮係数は、その値が大きいほど日射の遮効果は低い。
  • 我が国において、南向き鉛直壁面の日照時間は、春分の日及び秋分の日が最も長い。
  • 我が国において、開口部に水平な庇(ひさし)を設ける場合、夏期における日射の遮効果は、西面より南面のほうが高い。
  • 天空日射量は、一般に、大気透過率が高くなるほど減少する。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は1です。

1.北向き鉛直面は、春分から秋分の約半年間、朝夕に直達日射を受けます。
一方、秋分から春分までの間は直達日射が得られません。

2.日射遮蔽係数とは、厚さ3mmの透明ガラスの日射熱取得率を基準1.0として、任意の日射遮蔽物(ガラスやブラインドなど)の日射熱取得率の割合を表したものです。
日射遮蔽係数=日射遮蔽物の日射熱取得率/厚さ3mmの透明ガラスの日射熱取得率
日射遮蔽係数の数値が大きいとき、日射熱取得率も大きいことを表します。つまり、日射の遮蔽効果は低くなります。

3.東京(北緯35度)の南向き鉛直壁面の可照時間(日の出から日没までの時間)は、夏至7時間、冬至9時間30分、春・秋分12時間とされています。
したがって、南向き鉛直壁面の日照時間(可照時間)は、春・秋分が最も長くなります。

4.夏季は、太陽高度が高くなる時間帯に南面に日射を受るため、南面に設ける開口部の日射の遮蔽には、水平な庇が有効です。

5.天空日射量とは、大気の中のちりや水蒸気などによって乱反射された後、地上に達する日射量のことです。
大気透過率が高いということは、ちりや水蒸気が少ないということなので、天空日射量は減少します。
一方、直達日射量は、大気層を通り抜けて、地上に直接達する日射量のことなので、この場合、直達日射量は増加するということになります。

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02

正解は1です。

1-北向き鉛直面は、春分の日から秋分の日までの期間、直達日射を受けます。

2-設問の通りです。
  日射遮蔽係数は、窓ガラスの日射の遮蔽性能を示し、3 ㎜ 厚の普通透明板ガラスの遮蔽効果を 1 とした指標です。
  その値が大きくなるほど、室内に流れ込む日射量の割合が大きくなるので、日射の遮蔽効果は小さくなります。

3-設問の通りです。
  夏至の南向き鉛直壁面は、太陽高度が高く入射角が大きいため、日照時間は春分の日や秋分の日より短くなります。

4-設問の通りです。
  水平な庇は、高い太陽高度からの日射の軽減に効果的なため、西面より南面の方が日射の遮蔽効果は高くなります。

5-設問の通りです。
  天空日射量は大気中に散乱しながら地表に到達する日射なので、大気中の雲や塵が多い方が天空日射量は多くなります。
  大気透過率が高いということは雲や塵が少ないということなので、天空日射量は減り、反対に直達日射量が増えます。

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