二級建築士の過去問
平成29年(2017年)
学科1(建築計画) 問25

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問題

二級建築士試験 平成29年(2017年) 学科1(建築計画) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

我が国における環境・省エネルギーに配慮した建築・設備計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 大空間や高天井の室において、居住域を中心とした局所空調を用いた。
  • 空気搬送の圧力損失を低減するため、天井チャンバー方式を用いた。
  • 排水再利用設備において、洗面・手洗い排水を浄化して再利用水として使用した。
  • 夏期の最大冷房負荷を抑制するため、建築物の主たる窓面を東西面に配置した。
  • 空気熱源マルチパッケージ型空調機は、成績係数(COP)の大きい機器を採用した。

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この過去問の解説 (2件)

01

1-設問は正しいです。
  空間全体ではなく、居住域を局所的に空調することで、効率的に快適性を得ることができます。

2-設問は正しいです。
  天井チャンバー方式は、天井内に空調用の箱型空間を設けてダクト工事を省略するので、空気搬送の圧力損失を低減できます。

3-設問は正しいです。
  排水利用水の原水には、洗面器等からの排水の他、厨房排水便器洗浄排水も利用できます。ただし、屎尿を含む汚水は、散水や修景・清掃用水として使用することはできません。

4-夏至の南面は、太陽高度が高いため、受熱量が北面の次に小さくなります。
  反対に東西面は、それぞれ午前と午後に入射角が最も低くなるため、各方位面で最も受熱量が大きくなります。
  よって、夏期の冷房負荷抑制には、主たる窓面の設置は、東西面よりも南面の方が望ましいです。

5-設問は正しいです。
 COPが大きいほど空調効率が高いことを表します。

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02

正解は4です。

1.大空間や高天井の場合は、居住域が下方のみになるため、空間全体を空調する必要がありません。
したがって、居住域を中心とした局所空調方式は適しています。

2.天井チャンバー方式とは、天井内を排煙経路として使用する方式のことです。
天井の空間が広い場合、空気搬送の圧力損失を削減することができます。

3.排水再利用水の原水は、洗面、手洗い、湯沸かし、炊事、厨房、掃除、風呂等の雑排水、および便所洗浄廃水のいずれかとされています。
し尿を含む原水の場合は、便所洗浄水のみ利用することができます。

4.夏期の東西面は、南面の約3倍の終日直達日射量となっています。
そのため、東西面に窓を設けると直達日射の影響は大きくなり、冷房負荷も大きくなってしまいます。
夏期の冷房負荷の抑制のためには、窓面を南北面に計画することが望ましいです。

5.成績係数(COP)とは、冷凍機やヒートポンプの効率を表し、冷房(暖房)能力を消費電力で割ったものです。
成績係数の値が大きいほど効率が良く、省エネルギー対策となります。

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