二級建築士の過去問
平成29年(2017年)
学科3(建築構造) 問18
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問題
二級建築士試験 平成29年(2017年) 学科3(建築構造) 問18 (訂正依頼・報告はこちら)
建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鉄骨造の建築物において、筋かいによって地震力に抵抗する計画とした場合、耐震計算ルート2では、筋かいの水平力分担率の値に応じて、地震時応力を割り増す必要がある。
- 木造建築物において、同じ構面内の同種の筋かいは、一般に、傾きの方向が同じ向きとなるように配置する。
- 鉄筋コンクリート造の建築物において、柱と腰壁との間に耐震スリットを設けることは、柱の脆性破壊の防止に有効である。
- スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)は、載荷したロッドを回転して地盤に貫入する簡便な地盤調査方法であり、手動式の場合、適用深度は10m程度である。
- 建築物の外壁から突出する部分の長さが2mを超える片持ちのバルコニーを設ける場合、当該部分の鉛直震度に基づき計算した地震力に対して安全であることを確かめる必要がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
1 .鉄骨造の建築物において、耐震計算ルート2では、筋かいの水平力分担率の値に応じて、地震時応力の割り増しを行います。
水平力分担率β=筋かいが負担する水平力/その階に生じる水平力
正しい記述です。
2 .木造建築物において、同じ構面内の同種の筋かいは、一般に、傾きの方向が逆向きとなるように配置します。
誤った記述です。
3 .鉄筋コンクリート造の建築物において、柱と腰壁との間に耐震スリットを設けることは、柱の脆性破壊の防止に有効です。柱と壁の一体性を分離し、柱の水平剛性を低減させます。
正しい記述です。
4 .スウェーデン式サウンディング試験は、載荷したロッドを回転して地盤に貫入する簡便な地盤調査方法であり、手動式の場合、適用深度は10 m程度です。住宅などの地盤調査としてよく知られています。
正しい記述です。
5 .建築物の外壁から突出する部分の長さが2 mを超える片持ちのバルコニーを設ける場合、当該部分の鉛直震度に基づき計算した地震力に対して安全であることを確かめる必要があります。
正しい記述です。
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02
1.鉄骨造の建築物において、筋かいによって地震力に抵抗する計画とした場合、耐震計算ルート2では、筋かいの水平力分担率(β)の値に応じて、地震時応力を割り増す必要がありますので、正しい記述となります。
水平力分担率(β)は(筋かいが負担する水平力)/(その階に生じる水平力)となります。
2.木造建築物において、同じ構面内の同種の筋かいは、一般に、傾きの方向が逆向きとなるように配置し、水平力に対して引張り材・圧縮材として作用するように配置しますので、同じ向きとするのは誤った記述となります。
3.鉄筋コンクリート造の建築物において、柱に腰壁や垂壁がある場合、短柱となり、せん断力が集中し、脆性破壊しやすくなります。その為、耐震スリットを設け所定の柱長さとすることで脆性破壊を防止し、粘り強くすることができますので、正しい記述となります。
4. スウェーデン式サウンディング試験は、載荷したロッドを回転して荷重と回転貫入により地盤調査する方法で、適用深度は10m程度となりますので、正しい記述となります。
5.建築物の外壁から突出する部分の長さが2mを超える片持ちのバルコニーや片持ち階段を設ける場合は当該部分の鉛直震度に基づき計算した地震力に対して安全であることを確かめる必要がありますので、正しい記述となります。
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03
1、耐震計算ルート2では、筋かいの水平力分担率の値に応じて地震時応力を割り増す必要があります。
したがって正しい記述となります。
2、木造建築物において、同じ構面内の同種の筋かいは、傾きの方向が逆向きとなるように配置します。
逆向きに配置することで地震等による水平力に対して圧縮・引張りに対して強くなります。
したがって誤りの記述となります。
3、腰壁や垂れ壁がつく柱は短柱となってしまい、せん断破壊してしまう恐れがあります。
それに対してスリットを設けることで、その部分はひとつの長い柱として作用することができるので、脆性破壊に対して有効となります。
したがって正しい記述となります。
4、スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)は、載荷したロッドを回転して地盤に貫入する地盤調査方法です。
手動式の場合、適用深度は10m程度ですが人力でも可能なため住宅等での地盤調査に用いられています。
したがって正しい記述となります。
5、建築物の外壁から突出する部分の長さが2mを超える片持ちのバルコニーを設ける場合、当該部分の鉛直震度に基づき計算した地震力に対して安全であることを確かめる必要があります。
これは片持ちで出ている部分が鉛直方向に揺れる恐れがあるためです。
したがって正しい記述となります。
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