二級建築士の過去問
平成30年(2018年)
学科3(建築構造) 問19
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問題
二級建築士試験 平成30年(2018年) 学科3(建築構造) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
鉄筋コンクリート構造の既存建築物の耐震診断、耐震改修に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 耐震診断基準における第2次診断法においては、建築物の形状の複雑さや剛性のアンバランスな分布などが耐震性能に及ぼす影響を評価するための形状指標を算出する。
- あと施工アンカーを用いた補強壁の増設工事を行う場合、新設するコンクリートの割裂を防止するために、アンカー筋の周辺にスパイラル筋などを設けることが有効である。
- 既存の耐震壁の開口部をふさいだり壁厚を増したりすることは、建築物の保有水平耐力を増加させる強度抵抗型の補強に適している。
- 耐震スリットを設ける目的の一つは、せん断破壊型の柱を曲げ破壊型に改善することである。
- 柱における鋼板巻き立て補強や炭素繊維巻き付け補強は、柱の曲げ耐力を高めることを目的としている。
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この過去問の解説 (2件)
01
1、耐震診断基準における第2次診断法においては、建築物の形状の複雑さや剛性のアンバランスな分布などが耐震性能に及ぼす影響を評価するための形状指標を算出します。
したがって正しい記述となります。
2、 あと施工アンカーを用いた補強壁の増設工事を行う場合、新設するコンクリートの割裂を防止するために、アンカー筋の周辺に径6mm以上のスパイラル筋を設けます。
したがって正しい記述となります。
3、既存の耐震壁の開口部をふさいだり壁厚を増したりすることは、建築物の保有水平耐力を増加させる強度抵抗型の補強に適しています。
耐力向上をはかる改修方法になります。
したがって正しい記述となります。
4、耐震スリットを設ける目的の一つはせん断破壊型の柱を曲げ破壊型に改善することです。
靭性を高める改修方法になります。
また、せん断破壊は脆性な破壊形式で曲げ破壊は靭性な破壊形式になります。
したがって正しい記述となります。
5、柱における鋼板巻き立て補強や炭素繊維巻き付け補強は柱の靭性を高めることを目的とします。
耐力の向上ではありません。
したがって誤りの記述となります。
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02
耐震診断で、耐震性能を求めるIs値の計算では、建物平面・建物立面の不整形さを表す形状指標を用いて算出します。
2. 記述は正しいです
耐震アンカーの部分が構造上デメリットにならないように、アンカー周辺にスパイラル筋を設置して、応力負担をするようにします。
3. 記述は正しいです
強度抵抗型の構造設計をする場合は、耐震壁の壁量を多くすることで建物を変形させない計画をします。
改修設計においても、考え方は一緒なので覚えておきましょう。
4. 記述は正しいです
柱にくっついているコンクリート壁は、地震などの際に柱を拘束して自由に動けず、本来の機能を発揮できなくなります。
スリットを設けて構造的に分離することで、柱が粘り強い動きをするようになります。
5. 記述は誤りです
鋼製や炭素繊維は引張に強いので、柱の外から巻くことで鉄筋と同様の働きをするようになります。
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