二級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科1(建築計画) 問1

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 学科1(建築計画) 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

日本の歴史的な建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 清水寺(京都府)は、急な崖に建っている本堂の前面の舞台を、長い束(つか)柱で支える懸(かけ)造りの建築物である。
  • 円覚寺舎利殿(神奈川県)は、部材が細い、組物が精密に細工されている、屋根の反りが強い等の禅宗様(唐様)の特徴をもった建築物である。
  • 鹿苑寺金閣(京都府)は、最上層を禅宗様仏堂風の形式とし、二層を和様仏堂風、一層を住宅風とした建築物である。
  • 中尊寺金色堂(岩手県)は、外観が総漆塗りの金箔(ぱく)押しで仕上げられた方三間の仏堂である。
  • 薬師寺東塔(奈良県)は、各重に裳階(もこし)が付いた本瓦葺きの五重塔である。

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この過去問の解説 (2件)

01

1. 記述は正しいです
 清水寺は延暦17年(798年)に創立され、巨大な寄棟造で複雑な屋根を持っています。
清水寺は和様建築であり、東大寺南大門は大仏様(天竺様)建築であることをセットで確認しましょう。

2. 記述は正しいです
 円覚寺舎利殿は鎌倉時代の寺院建築で、記述にある特徴のほかに湾曲した化粧梁(海老虹梁)を持っています。
禅宗様のほかに挿肘木が特徴の大仏様(天竺様)があり、浄土寺浄土堂などが代表であることを覚えておきましょう。

3. 記述は正しいです
 建物の内外を金箔で覆った金閣は、舎利殿であるとともに遊興・社交用パーティスペースの機能を持っており、上層から庭園を眺められるようになっています。

4. 記述は正しいです
 中尊寺金色堂の内部は蒔絵・螺鈿(らでん)や銅の透かし彫り金具など、当時の工芸品を尽くした平安時代末期の代表的な建築物です。

5. 記述は誤りです
 薬師寺東堂は、各重に裳階が付いた三重塔で、奈良時代の白鳳様式建築物です。
五重塔を持つ建築物は飛鳥時代の法隆寺西院になります。

参考になった数31

02

正解は5です。

1.正しいです。
 清水寺(京都府)は、急な崖に建っており、本堂の前面の舞台を長い束で柱で支えています。このような形式を懸造りといいます。

2.正しいです。
 円覚寺舎利殿(神奈川県)は、1563年に焼失後、大平寺仏殿を移した鎌倉時代の建築です。部材が細く、組物ば精密に細工され、屋根の反りが強いなど、禅宗様(唐様)の建築様式が特徴です。

3.正しいです。
 鹿苑寺金閣(京都府)は、1950年焼失後、1955年に再建されました。住宅と仏殿として使用するため、三層は禅宗様仏堂風の形式、二層は和洋仏堂風、一層は書院造りの住宅風となっています。

4.正しいです。
 中尊寺金色堂(岩手県)は、1124年(平安時代)に完成した平安時代浄土教建築です。平面が方三間、屋根が宝形造りの木瓦葺き、総金箔貼りの仏堂となっています。

5.誤りです。
 薬師寺東塔(奈良県)は、各重に裳階がついた、本瓦葺きの三重塔です。

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