二級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科3(建築構造) 問18

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 学科3(建築構造) 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の固有周期に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 建築物は、水平剛性が同じであれば、質量が小さいほど固有周期が長くなる。
  • 形状及び高さが同じであれば、一般に、鉄筋コンクリート造建築物に比べて鉄骨造建築物のほうが固有周期が長くなる。
  • 鉄筋コンクリート造建築物では、一般に、躯体にひび割れが発生するほど固有周期が長くなる。
  • 鉄筋コンクリート造建築物において、柱と腰壁の間に耐震スリットを設けると、設けない場合に比べて固有周期が長くなる。
  • 免震構造を採用した建築物は、一般に、免震構造を採用しない場合と比べて固有周期が長くなる。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は1です。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

1→固有周期Tは次の公式で求めます。

T=2π√m/k(m:質量、k:水平剛性)

よって、質量mが小さいほど、固有周期Tは小さくなるため、設問の内容は誤りです。

2→設問の通り正しいです。

一次固有周期の推定方法として次の公式があります。

T=h(0.02+0.01α) 

(h:当該建築物の高さ、α:木造又は鉄骨造の階の合計高さのhに対する比)

鉄筋コンクリート造の場合α=0、鉄骨造の場合α=1となります。

3→設問の通り正しいです。

4→設問の通り正しいです。

スリットを設けることにより、柱と腰壁の一体性を分断し、水平剛性を低減させることができます。

5→設問の通り正しいです。

免震構造を設けることにより建築物の上部の構造に伝わる地震力の固有周期が長くなり、応力加速度が低減されます。

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02

正解は1です。
最も不適当なものを選びます。

1.記述は誤りです。
 建築物は、水平剛性が同じであれば、質量が小さいほど固有周期が短くなります。

2.記述は正しいです。
 設計用一次固有周期T(秒)
 T = h(0.02 + 0.01a)
h : 建築物の高さ(m)
a : 柱及び梁の大部分が木造または鉄骨造である階の合計の高さのhに対する比
  鋼構造(鉄骨構造) a = 1となるからT = 0.03h
  鉄筋コンクリート構造 a = 0となるからT = 0.02h
 
 形状が同じ場合、建物高さhが等しければ、一般に、建築物の設計用一次固有周期Tは、
 鉄筋コンクリート造より鋼構造の方が長くなります。


3.記述は正しいです。
 鉄筋コンクリート造の場合、躯体にひび割れが発生すると、剛性が低下するため、固有周期が長くなります。

4.記述は正しいです。
 鉄筋コンクリート造建築物において、柱と腰壁の間に耐震スリットを設けると、設けない場合に比べて固有周期は長くなります。

5.記述は正しいです。
 免震構造を採用した建築物は、一般に、免震構造を採用しない場合と比べて固有周期が長くなります。

固有周期が長くなることで、建築物に作用する加速度が小さくなり、建築物に作用する地震力を低減し、耐震性の向上を図ることが可能です。

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