二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科1(建築計画) 問10
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問題
二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科1(建築計画) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
建築物の環境評価及び地球環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- CASBEE(建築環境総合性能評価システム)は、室内の快適性や景観の維持を含めた建築物の運用に関わる費用を算出するシステムである。
- PM2.5(微小粒子状物質)は、人の呼吸器系、循環器系への影響が懸念されており、我が国では環境基準が定められている。
- SDGs(持続可能な開発目標)は、2030年を年限とする国際目標であり、「水・衛生」、「エネルギー」、「まちづくり」、「気候変動」などに関する項目が含まれている。
- 建築物のLCCO2(ライフサイクルCO2)は、資材生産から施工・運用・解体除却までの全過程のCO2排出量を推定して算出する。
- ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)は、室内環境の質を維持しつつ、建築物で消費する年間の一次エネルギーの収支を正味ゼロ又はマイナスにすることを目指した建築物である。
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この過去問の解説 (2件)
01
1 ×
CASBEEとは、建築物の環境性能で評価し格付けする手法のことです。
費用の算出等のことではありません。
2 〇
PM2.5とは、焼却炉などから発生する煙、自動車や航空機から発生する粉塵、火山灰などの自然起源のものがあり、人体への影響が懸念されるもののことです。
3 〇
SDGsとは、17の持続可能な開発目標となります。それまでのMDGsに代わり、発展途上国だけではなく先進国と一丸となって達成すべき目標構成となっています。発展途上国のみの目標である、というひっかけが良く出ます。
4 〇
LCCO2とは、地球温暖化に関する指標にもなっており、建物、設備の建設から解体までに発生するCO2の総発生量です。運用時の発生割合が一番高く、50%前後となっています。
5 〇
ZEBとは、ハウスメーカーや工務店などで言われている「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」と同じ内容となります。太陽光などの自然エネルギーの活用や室内の断熱性能を高め、年間の一次エネルギー消費量を概ね0にすることを目標とした建築物(ZEHの場合は住宅)となります。
よって問の答えは 1 となります。
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02
1.間違いです。
CASBEEは環境性能評価ツールであり、地球環境問題に対応する持続可能な建築の整備を目的としています。
費用を算出するシステムではありません。
2.正しいです。
微小粒子状物質で2.5μm以下の物質をPM2.5と呼び、
1年平均値と1日平均値の環境基準値が定められています。
3.正しいです。
SDGsとは持続可能でよりよい世界を目指す国際指標であり、
17のゴールと169のターゲットで構成されています。
4.正しいです。
建築物の使用期間全体(建設から廃棄まで)のCO₂の排出量を示します。
地球温暖化防止の観点により地球環境に及ぼす影響を図るための指標となります。
5.正しいです。
一次エネルギーの消費量を設備等の省エネ性の向上、再生可能エネルギーの活用等により削減し、年間での一次エネルギー消費量を正味ゼロ又は概ねゼロとする建築物を示します。
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