二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科1(建築計画) 問9

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科1(建築計画) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

音響設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 室内の騒音の許容値をNC値で表す場合、その値が小さいほど、許容される騒音レベルは低くなる。
  • 軽量床衝撃音への対策として、カーペットや畳などの緩衝性の材料を用いることが効果的である。
  • 窓や壁体の遮音による騒音防止の効果を高めるには、窓や壁の材料の音響透過損失の値を小さくする。
  • フラッターエコーは、一般に、向かい合う平行な壁面それぞれの吸音率が低いと発生する。
  • 一般に、室容積が大きくなるほど、最適残響時間は長くなる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

1 〇

NC値は音の許容値を表します。大きくなると許容できる音のレベルが増大し、小さくなると許容できる音のレベルが低くなります。

dBは音の大きさです。そこから10引くとNC値とほぼ等しくなるため、音が大きくなればなるほどNC値も大きくなるイメージです。

レコーディングスタジオはNC-15 多目的スペースはNC-35程度なので、レコーディングする部屋は余計な音が入らないように騒音を少なくしないとダメ、多目的スペースはいろいろな人が入るから、多少うるさくても良いよね、という様なイメージです。

2 〇

軽量床衝撃音は、緩衝材と言われるカーペット、畳、コルクマット、タイルカーペットなどを敷くことで対策できます。

重量衝撃音(子供が走る音など)には対策にならないので注意しましょう。

3 ×

音響透過損失とは、音が壁体などを通過する際に損失する音エネルギーの割合のこと。高ければ高いほど防音性が高くなるため、騒音防止の効果を高めるには、音響透過損失の値を大きくする必要があります。

問題文は小さくする、とある為間違いです。

4 〇

フラッターエコーとは、平行面の間で音が反射を繰り返す現象です。

お風呂、トンネルなどで起きやすく、反射率が高い(吸音率が低い)と残響も起こりやすくなります。

日光東照宮の鳴き竜もこれが原因です。

5 〇

室容積が大きくなると最適残響時間は長くなります。

コンサートホールでは余韻を楽しむため比較的長く、会議室や会話聴取を目的とする部屋では明瞭性を良くするため、短めの残響時間が良いです。

よって問の答えは 3 となります。

参考になった数18

02

1.正しいです。

NC曲線と呼ばれるグラフを見ると、NC値が小さいほど音の強さのレベルも小さくなります。

2.正しいです。

食器の落下などの軽量床衝撃音、子供の飛び跳ねなどは重量床衝撃音となり、防止対策はそれぞれ分けて考える必要があります。

3.間違いです。

透過損失とは入射音の強さがどれだけ小さくなったかを示します。

よって、透過損失が大きいほど遮音性能が良くなります。

4.正しいです。

フラッターエコーとは、壁体が向き合い音が壁の間を繰り返し往復して反射することを示します。

吸音率が低いほど起こりやすいです。

5.正しいです。

最適残響時間は、一般的に室面積が大きいほど大きくなります。

大きな部屋ほど音量を反射音により補う目的があります。

参考になった数5