二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科3(建築構造) 問6
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問題
二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科3(建築構造) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
長柱の弾性座屈荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 弾性座屈荷重は、柱の断面二次モーメントに比例する。
- 弾性座屈荷重は、材料のヤング係数に反比例する。
- 弾性座屈荷重は、柱の座屈長さの2乗に反比例する。
- 弾性座屈荷重は、柱の両端の支持条件が水平移動拘束で「両端ピンの場合」より水平移動拘束で「両端固定の場合」のほうが大きい。
- 弾性座屈荷重は、柱の両端の支持条件が水平移動自由で「両端固定の場合」と水平移動拘束で「両端ピンの場合」とでは、同じ値となる。
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この過去問の解説 (3件)
01
弾性座屈荷重は「P = π²EI / L²」で表されます。
E=ヤング係数
I=座屈軸に関する断面二次モーメント
L=座屈長さ
1:正。
弾性座屈荷重は、柱の断面二次モーメントに比例します。
2:誤。
弾性座屈荷重は、材料のヤング係数に比例します。
3:正。
弾性座屈荷重は、柱の座屈長さの2乗に反比例します。
4:正。
座屈長さは、柱の両端の指示条件が水平移動拘束で「両端ピンの場合」はLとなり、「両端固定の場合」は0.5Lとなります。
よって、弾性座屈荷重は、「両端固定の場合」の方が大きくなります。
5:正。
座屈長さは、柱の両端の指示条件が水平移動自由で「両端固定の場合」はLとなり、水平移動拘束で「両端ピンの場合」もLとなります。
よって、弾性座屈荷重は、同じ値となります。
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02
最も不適当な選択肢は、
「弾性座屈荷重は、材料のヤング係数に反比例する。」
です。
材料のヤング係数が大きいほど硬くなり、弾性座屈荷重も比例して大きくなります。
弾性座屈荷重は、π2 × (E × I / Lk 2 ) で求めることができます。
E:ヤング係数(材料の硬さを表しています)
I:断面二次モーメント(材料の曲がりにくさを表しています)
Lk:座屈長さ(座屈のしやすさを表しています)
※弾性座屈荷重の公式を覚えていなくても、「ヤング係数が大きいと弾性座屈荷重も大きくなる」「断面二次モーメントが大きくなると弾性座屈荷重も大きくなる」「長くなると弾性座屈荷重は2乗で小さくなる」という感覚をつかめていれば解けます。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
正しい選択肢です。
柱の断面二次モーメントが大きいほど曲がりにくくなり、弾性座屈荷重も比例して大きくなります。
不適当な選択肢です。
材料のヤング係数が大きいほど硬くなり、弾性座屈荷重も比例して大きくなります。
正しい選択肢です。
柱の座屈長さが大きいほど座屈しやすくなり、弾性座屈荷重は2乗に反比例して小さくなります。
正しい選択肢です。
水平移動拘束で「両端ピンの場合」、座屈長さLk=1.0Lです。
(両端を基点に、弧を描くように座屈します)
水平移動拘束で「両端固定の場合」、座屈長さLk=0.5Lです。
(端部ではまっすぐですが、内側に行くにつれ、上側1/4、下側1/4あたりから緩やかに座屈します。上側1/4~下側1/4間の長さが0.5Lです。)
座屈長さが大きいほど弾性座屈荷重が小さくなるので、
水平移動拘束で両端ピンの場合より、水平移動拘束で両端固定の場合の方が大きいです。
正しい選択肢です。
水平移動自由で「両端固定の場合」、座屈長さLk = 1.0Lです。
(端部はまっすぐで、”~”を縦にしたような形で座屈します)
水平移動拘束で「両端ピンの場合」、座屈長さLk = 1.0Lです。
(両端を基点に、弧を描くように座屈します)
どちらの座屈長さも同じなので、弾性座屈荷重も同じ値となります。
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03
弾性座屈荷重PはP=π²EI / L²で表されます。
E:ヤング係数
I:座屈軸に関する断面二次モーメント
L:座屈長さ
正しい内容です。
弾性座屈荷重は、柱の断面二次モーメントに比例します。
不適当な内容です。
弾性座屈荷重は、材料のヤング係数に「比例」します。
正しい内容です。
弾性座屈荷重は、柱の座屈長さの2乗に反比例します。
正しい内容です。
水平移動拘束で両端ピンの場合の係数は1.0、両端固定の場合の係数は0.5となり、他条件が同一の場合弾性座屈荷重は4倍大きくなります。
正しい内容です。
どちらの場合も座屈係数は1.0であり、同じ値となります。
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