二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科3(建築構造) 問5

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問題

二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科3(建築構造) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

図1は鉛直方向に外力を受ける静定ラーメンであり、その曲げモーメント図は図2のように表せる。図1の静定ラーメンに水平方向の外力が加わった図3の静定ラーメンの曲げモーメント図として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、曲げモーメント図は、材の引張側に描くものとする。
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この過去問の解説 (3件)

01

左下から時計まわりにA〜Eまでの記号を振ります。

(左下:A、左上:B、4kNの外力点:C、右上:D、右下:E)

まず、ピンローラーの支点(点E)の鉛直反力REを求めます。

ΣMA=0より

3kN×6+4kN×3 - RE×6=0

6RE=(18 + 12)kN

RE=5kN

次に、各点の曲げモーメントを求めます。

ピンローラーの点Eには水平反力が生じないため、DE間には曲げモーメントは生じません。

点Cの曲げモーメントMCを求めます。

MC(右)=-5kN×3

     =-15kN

よって、MCは下向きに15kNです。

点Bの曲げモーメントMBを求めます。

MB(梁)=4kN×3 - 5kN×6

     =-18kN

よって、MB(梁)は下向きに18kNです。

MB(柱)=3kN×6

     =18kN

よって、MB(梁)は右向きに18kNです。

点Aの曲げモーメントMAを求めます。

MA=3kN×6+4kN×3 - 5kN×6

     =0

よって、MA=0です。

以上より曲げモーメント図は選択肢5が正解となります。

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02

問題において、図1の時のモーメント図が図2に表されており、図3の状態と図1の状態では横からの3kNの荷重の有無が違います。

したがって、横から3kNの荷重が作用した状態のモーメント図を描き、そこに図2のモーメント図を足し合わせると求めたいモーメント図になります。

ここでは、消去法で答えを導きます。

まず、支点に着目すると左側がピン支点、右側がローラー支点になっています。

横からの荷重はピン支点に反力が生じ、ローラー支点には反力が生じないため、モーメント図は左の柱に出てくることがわかります。

よって、右の柱にモーメントが生じている選択肢は誤答となります。

次に、静定ラーメンのモーメント図は連続している部材ではモーメントも連続するという特徴があります。

図のような柱 - 梁 - 柱の線を一直線にしたとき、それぞれの部材の接点で同じ応力がかかっている必要があります。

これを考えると、当てはまらない選択肢は誤答となります。

残った選択肢が正解となります。

選択肢1. 解答選択肢の画像

図のような柱 - 梁 - 柱の線を一直線にしたとき、それぞれの部材の接点で同じ応力がかかっている必要があります。

したがって誤りです。

選択肢2. 解答選択肢の画像

図のような柱 - 梁 - 柱の線を一直線にしたとき、それぞれの部材の接点で同じ応力がかかっている必要があります。

したがって誤りです。

選択肢3. 解答選択肢の画像

右の柱にモーメントが生じているため誤りです。

選択肢4. 解答選択肢の画像

右の柱にモーメントが生じているため誤りです。

選択肢5. 解答選択肢の画像

正解です。

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03

この問題の場合、計算をしなくても、曲げモーメント図の形状から正答を導くことが可能です。

・曲げモーメントの外力が加わらない限りは、ある点の前後で引張・圧縮の向きが入れ替わらないので、左上の接点部分で引張・圧縮が入れ替わっている選択肢は不適当です。

・ピンローラー部分には水平反力が発生せず、ピンローラーが支持する垂直部材にはせん断力・曲げモーメントはかからないため、右側の垂直部材に曲げモーメントが描かれている選択肢は不適当です。

以上より、左上の接点の内側に曲げモーメントがかかり、左上から右上に行くにつれて曲げモーメントが小さくなり、右上の接点で曲げモーメントが0になる図が正しいです。

まとめ

※参考

構造力学の問題に慣れていない場合は、ΣX、ΣY、ΣMのつり合い式を立てて計算する方が確実です。

まず、左下のピン接合部分を点A、

左上の接点を点B、

垂直4kNの外力を受けている箇所を点C、

右上の接点を点D、

右下のピンローラー部分を点E、とします。

また、点Aの反力をV(↑) , H(→)、点Eの反力をV(↑)と仮定します。

※反力の向きは仮定であり、逆向きで仮定しても結果は変わらないので、どちら向きでも構いません

水平方向のつり合い(右向きを+と考えた場合)

ΣX : +3kN(→) + HA(→) = 0

よって、 HA = -3kN(マイナスなので仮定の反対向き←)

点Aの曲げモーメントのつり合い(時計回りを+と考えた場合)

ΣMA : +4kN(⤵) × 3m + 3kN(⤵) × 6m ― VB(⤴) × 6m = 0

よって、 VB = 5kN(↑)

垂直方向のつり合い(上向きを+と考えた場合)

ΣY : +VA(↑) - 4kN(↓) + VB(↑) = 0

VB = 5kN(↑)なので、

+VA(↑) - 4kN(↓) + 5kN(↑) = 0

よって、VA = -2kN(マイナスなので仮定の反対向き↓)

点Bの曲げモーメントを求めるために、点Bで切断して下側でつり合い式を考えます

ΣMB下 : 3kN(⤵) × 6m + MB(⤵) = 0

よって、MB = -18kN・m (マイナスなので反対向き⤴)

※点Bでは曲げモーメントが反時計回りにかかるので、内側(右側)が引張側となります。

点Cの曲げモーメントを求めるために、点Cで切断して左側でつり合い式を考えます

ΣMC左: -1kN(⤴) × 3m + 3kN(⤵) × 6m+ MC(⤵) = 0

よって、MC = -15kN・m(マイナスなので反対向き⤴)

※点Cでは曲げモーメントが反時計回りにかかるので、内側(下側)が引張側となります。

点Dの曲げモーメントを求めるために、点Dで切断して左側でつり合い式を考えます

ΣMD左: -1kN(⤴)×6m+3kN(⤵)×6m -4kN×3m + MD(⤵)=0

よって、MD = 0

以上より、左上(点B)が内側18kN・m、

4kNの外力を受ける点(点C)が内側15kN・m、

右上(点D)が0 の図が正しいです。

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