二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科3(建築構造) 問9
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問題
二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科3(建築構造) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)
地盤及び基礎構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 沖積層は、一般に、洪積層に比べて、支持力不足や地盤沈下が生じやすい。
- 地下外壁に地下水が接する場合、地下水位が高いほど、地下外壁に作用する圧力は大きくなる。
- 地盤の支持力は、一般に、基礎底面の位置(根入れ深さ)が深いほど大きくなる。
- 基礎梁の剛性を大きくすることは、一般に、不同沈下の影響を減少させるために有効である。
- 堅い粘土質地盤は、一般に、密実な砂質地盤に比べて許容応力度が大きい。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:正。
沖積層は、新しい地層であり、柔らかくて地耐力が小さく、比較的軟弱な地盤です。
沖積層は、安定地盤の洪積層に比べて、支持力不足や地盤沈下が生じやすいです。
2:正。
地下外壁に地下水が接する場合、地下水位が高いほど地下外壁に作用する圧力は大きくなります。
3:正。
地盤の支持力は、基礎底面の位置が深いほど大きくなります。
4:正。
基礎梁の剛性を大きくすることは、不同沈下の防止に有効です。
5:誤。
堅い粘土質地盤は、密実な砂質地盤に比べて許容応力度は小さくなります。
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02
地盤及び基礎構造に関する問題です。
正しい内容です。
沖積層は洪積層に比べて支持力が小さく地盤沈下が生じやすい地盤です。
正しい内容です。
地下外壁に地下水が接する場合、地下水位が高いほど、地下外壁に作用する圧力は大きくなります。
正しい内容です。
地盤の支持力は、一般的に根入れ深さが深いほど大きくなります。
正しい内容です。
基礎梁の剛性を大きくすることで、不同沈下による不陸を減少することができます。
不適当な内容です。
長期許容応力度の大小関係は、「岩盤>密実な砂質地盤>粘土質地盤」となります。
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03
最も不適当な選択肢は、「堅い粘土質地盤は、一般に、密実な砂質地盤に比べて許容応力度が大きい。」です。
粒子が大きい方が許容応力度は大きくなるので、堅い粘土質地盤は、密実な砂質地盤よりも許容応力度が小さいです。
なお、N値は土の粒子が大きいほど検査用のハンマーが沈み込みにくく、大きい値になりやすいです。
そのため、粘性土と砂質土で同じN値の場合、許容応力度は粘性土の方が大きいです。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
正しい選択肢です。
洪積層は、氷河期に長い時間をかけて堆積し、締め固められた地層です。
安定した地盤で、地盤沈下などが発生しにくく、支持地盤に適しています。
沖積層は、氷河期以降に河川によって削られた土砂が、沖まで運ばれて堆積した地層です。
比較的最近につくられた地層なので、軟弱で、支持力不足や地盤沈下が生じやすいです。
※参考
洪積層の語源は、ノアの箱舟の物語での大洪水で堆積した地層と誤認されたことが由来となっています。
正しい選択肢です。
地下外壁には圧力(土圧+水圧)がかかっています。
地下水位が高いほど、地下外壁に作用する圧力(土圧+水圧)は大きくなります。
正しい選択肢です。
根入れ深さが深いほど基礎を押さえつける力が増すため、地盤の支持力は大きくなります。
※参考
地盤の支持力は、テルツァーギの支持力公式によって求めることができます。
公式は省略しますが、粘着力、単位体積重量、基礎の幅、根入れ深さ、内部摩擦角が大きくなると地盤の支持力も大きくなります。
内部摩擦角は土の崩れにくさを表すもので、値が大きいほど、摩擦が大きく崩れにくいことを示しています。
正しい選択肢です。
基礎梁の剛性が小さいと基礎梁がたわみやすくなり、荷重のバランスが偏って荷重が一部に集中し、不同沈下が発生します。
なので、基礎梁の剛性を大きくすることで不同沈下を防ぐことができます。
不適当な選択肢です。
土の粒子が大きい方が許容応力度は大きくなるので、堅い粘土質地盤は、密実な砂質地盤よりも許容応力度が小さいです。
砂質土は粒子が大きく、粒子同士のかみ合わせ(摩擦力)で結合しています。
そのため、密実な砂質地盤は許容応力度が大きいです。
一方、粘土は粒子が小さく、粘着力で結合しています。
砂質土のような粒子同士のかみ合わせ(摩擦力)が発生しないため、硬い粘土質地盤は許容応力度が小さいです。
※参考
具体的な許容応力度(長期)の値は下記のとおりです。
堅い粘土質地盤 100kN/㎡
密実な砂質地盤 200kN/㎡
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