二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科3(建築構造) 問15

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問題

二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科3(建築構造) 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート構造における配筋等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 耐震壁の開口に近接する柱(開口端から柱端までの距離が300mm未満)のせん断補強筋比は、一般に、0.4%以上とする。
  • 柱の帯筋は、「せん断補強」、「内部のコンクリートの拘束」、「主筋の座屈防止」等に有効である。
  • 周辺固定とみなせる長方形スラブが等分布荷重を受ける場合、一般に、生じる応力から必要となるスラブの配筋量は、両端の上端配筋量のほうが、中央の下端配筋量より多くなる。
  • フック付き重ね継手の長さは、鉄筋相互の折曲げ開始点間の距離とする。
  • 柱の主筋をガス圧接する場合、一般に、各主筋の継手位置は、同じ高さに設ける。

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この過去問の解説 (3件)

01

1:正。

耐震壁の開口に近接する柱(開口端から柱端までの距離が300mm未満)のせん断補強筋比は、0.4%以上とします。

2:正。

柱の帯筋は、「せん断補強」「内部のコンクリートの拘束」「主筋が座屈するのを防止」「急激な耐力低下を防止」等に有効です。

3:正。

周辺固定とみなせる長方形スラブが等分布荷重を受ける場合、生じる応力から必要となるスラブの配筋量は、両端の上端配筋量のほうが、中央の下端配筋量より多くなります。

4:正。

フック付き重ね継手の長さは、鉄筋相互の折曲げ開始点間の距離となります。フック部分は重ね継手の長さに含みません。

5:誤。

継手位置は、同じ箇所に集中させずに、ずらして設けます。

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02

鉄筋コンクリート造の配筋に関する問題です。

選択肢1. 耐震壁の開口に近接する柱(開口端から柱端までの距離が300mm未満)のせん断補強筋比は、一般に、0.4%以上とする。

正しい内容です。

耐震壁の開口に近接する柱のせん断補強筋比は、一般に、0.4%以上とします。

選択肢2. 柱の帯筋は、「せん断補強」、「内部のコンクリートの拘束」、「主筋の座屈防止」等に有効である。

正しい内容です。

帯筋は、せん断力に対する補強効果があり、柱主筋の位置を固定し、主筋の座屈を防ぐ効果があります。

選択肢3. 周辺固定とみなせる長方形スラブが等分布荷重を受ける場合、一般に、生じる応力から必要となるスラブの配筋量は、両端の上端配筋量のほうが、中央の下端配筋量より多くなる。

正しい内容です。

周辺固定とみなせる長方形スラブが等分布荷重を受ける場合、一般に、生じる応力から必要となるスラブの配筋量は、両端の上端配筋量のほうが、中央の下端配筋量より多くなります。

選択肢4. フック付き重ね継手の長さは、鉄筋相互の折曲げ開始点間の距離とする。

正しい内容です。

フック付き重ね継手の長さは、鉄筋相互の折曲げ開始点間の距離とします。

選択肢5. 柱の主筋をガス圧接する場合、一般に、各主筋の継手位置は、同じ高さに設ける。

不適当な内容です。

柱主筋をガス圧接する場合、各主筋の継手位置は、同じ高さに集中しないよう、ずらして配置します。

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03

最も不適当な選択肢は、

「柱の主筋をガス圧接する場合、一般に、各主筋の継手位置は、同じ高さに設ける。」

です。

一般的に、継手部分は鉄筋の弱点となりやすいです。

柱主筋の継手位置を同じ高さに統一すると、弱点となる箇所が集中してしまうため、継手位置をずらして設けます。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

選択肢1. 耐震壁の開口に近接する柱(開口端から柱端までの距離が300mm未満)のせん断補強筋比は、一般に、0.4%以上とする。

正しい選択肢です。

せん断補強筋比は、部位によって下記の値となっています。

0.4%以上 耐震壁の開口に近接する柱

0.3%以上 袖壁付きの柱

0.25%以上 耐震壁

なお、せん断補強筋とは帯筋やあばら筋のことです。

せん断補強筋比とは、1ピッチ分のせん断補強筋の断面積を、1ピッチの間隔と部材幅で割った値です。

選択肢2. 柱の帯筋は、「せん断補強」、「内部のコンクリートの拘束」、「主筋の座屈防止」等に有効である。

正しい選択肢です。

柱の帯筋や梁のあばら筋は、下記の効果があります。

・地震力に対するせん断補強

・内部のコンクリートの拘束

・主筋の座屈防止

選択肢3. 周辺固定とみなせる長方形スラブが等分布荷重を受ける場合、一般に、生じる応力から必要となるスラブの配筋量は、両端の上端配筋量のほうが、中央の下端配筋量より多くなる。

正しい選択肢です。

スラブの配筋量は、両端の上端 > 中央の下端 となります。

なお、「周辺固定とみなせる長方形スラブ」とは、スラブの四辺が梁で支持されているスラブのことです。

※参考

両端固定梁に等分布荷重がかかる場合の曲げモーメントは、両端の上端側がwl2/12、中央の下端がwl2/24であり、両断の上端側の方が大きいです。

スラブの配筋量も同様に、両端の上端 > 中央の下端 となります。

選択肢4. フック付き重ね継手の長さは、鉄筋相互の折曲げ開始点間の距離とする。

正しい選択肢です。

フック付き重ね継手の場合の定着長は、鉄筋相互の折曲げ開始点間の距離とします。

なお、継手部分のフックは鉄筋の定着長さを確保するために必要で、

継手部分は所定の定着長以上(L1)とする必要があります。

選択肢5. 柱の主筋をガス圧接する場合、一般に、各主筋の継手位置は、同じ高さに設ける。

不適当な選択肢です。

主筋の継手位置は、異なる高さに設けます。

参考になった数2