二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科4(建築施工) 問2

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科4(建築施工) 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

建築士法の規定に基づく「建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」において、建築士が行う工事監理に関する標準業務及びその他の標準業務として、最も不適当なものは、次のうちどれか。
  • 設計図書の内容を把握し、設計図書に明らかな、矛盾、誤謬、脱漏、不適切な納まり等を発見した場合には、設計者に報告し、必要に応じて建築主事に届け出る。
  • 工事施工者から工事に関する質疑書が提出された場合、設計図書に定められた品質確保の観点から技術的に検討し、必要に応じて建築主を通じて設計者に確認の上、回答を工事施工者に通知する。
  • 設計図書の定めにより、工事施工者が提案又は提出する工事材料が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、建築主に報告する。
  • 工事請負契約に定められた指示、検査、試験、立会い、確認、審査、承認、助言、協議等を行い、また工事施工者がこれを求めたときは、速やかにこれに応じる。
  • 建築基準法等の法令に基づく関係機関の検査に必要な書類を工事施工者の協力を得てとりまとめるとともに、当該検査に立会い、その指摘事項等について、工事施工者等が作成し、提出する検査記録等に基づき建築主に報告する。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

「建築主」は、建設工事の発注者を指します。

「設計者」は、建築主から依頼を受けて、設計・工事監理・工事契約に関する事務を行う者を指します。

「工事監理者」は、工事が設計図書通りに実施されているかを確認し、指導や監督をする者を指します。

「工事施工者」は、工事を行う者を指します。

また、選択肢1に出てくる「建築主事」は、確認申請や完了検査を行う役職であり、建築主とは異なるので注意しましょう。

1:誤。

設計図書の内容を把握し、設計図書に明らかな、矛盾、誤謬、脱漏、不適切な納まり等を発見した場合、建築主に報告し、必要に応じて建築主を通じて設計者に確認します。

2:正。

工事施工者から工事に関する質疑書が提出された場合、設計図書に定められた品質確保の観点から技術的に検討し、必要に応じて建築主を通じて設計者に確認の上、回答を工事施工者に通知します。

3:正。

設計図書の定めにより、工事施工者が提案又は提出する工事材料が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、建築主に報告します。

4:正。

工事請負契約に定められた指示、検査、試験、立会い、確認、審査、承認、助言、協議等を行い、また工事施工者がこれを求めたときは、速やかにこれに応じます。

5:正。

建築基準法等の法令に基づく関係機関の検査に必要な書類を工事施工者の協力を得てとりまとめるとともに、当該検査に立会い、その指摘事項等について、工事施工者等が作成し、提出する検査記録等に基づき建築主に報告します。

参考になった数11

02

建築士が行う工事監理業務の範囲に関する出題です。

それぞれの役割を理解しながら正誤判断をする必要があります。

工事監理者(問題文の中では建築士)

建築主によって定められ、工事監理者の責任において、工事が設計図書のとおりに実施されているか確認する立場です。

具体的には建築主との協議、建築主を通じた設計者への確認、工事施工者との協議等を行います。

建築主

施主や発注者であり、建築士である工事監理者を定めなければならない立場です。

設計者

設計図書を作成した者として、設計の意図を説明したり助言をしたりする立場です。

工事監理者と兼ねることも多いですが、今回は別人と考える方が分かりやすいです。

工事施工者

工事を請け負う、もしくは自ら工事を行う立場です。

工程表や施工計画の作成、工事監理者への工事に関する質疑書の提出も行います。

建築主事

※工事監理業務とは関係ありませんが、選択肢に含まれているため記載します。

都道府県や市町村に置かれている、確認申請や完了検査の審査を行う立場の者です。

選択肢1. 設計図書の内容を把握し、設計図書に明らかな、矛盾、誤謬、脱漏、不適切な納まり等を発見した場合には、設計者に報告し、必要に応じて建築主事に届け出る。

不適当な選択肢です。

設計図書に明らかな矛盾等を発見した場合は、建築主に報告し、必要に応じて建築主を通じて設計者に確認します。

設計者や工事監理者は助言や報告をする立場であり、矛盾等の対処を最終的に判断するのはあくまで建築主です。

そのため、監理者が建築主を介さずに直接設計者に設計図書の矛盾を確認するのは許されていません。

選択肢2. 工事施工者から工事に関する質疑書が提出された場合、設計図書に定められた品質確保の観点から技術的に検討し、必要に応じて建築主を通じて設計者に確認の上、回答を工事施工者に通知する。

正しい選択肢です。

工事施工者から質疑書が提出された場合、必要であれば建築主を通じて設計者に確認した上で、工事施工者に回答を通知します。

選択肢3. 設計図書の定めにより、工事施工者が提案又は提出する工事材料が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、建築主に報告する。

正しい選択肢です。

工事施工者が提案・提出する工事材料について、設計図書の内容に適合しているか検討し、建築主に報告します。

選択肢4. 工事請負契約に定められた指示、検査、試験、立会い、確認、審査、承認、助言、協議等を行い、また工事施工者がこれを求めたときは、速やかにこれに応じる。

正しい選択肢です。

工事請負契約に定められた指示、検査、試験、立会い、確認、審査、承認、助言、協議等(設計図書に定めるものを除く。)を行い、また工事施工者がこれを求めたときは、速やかにこれに応じます。

選択肢5. 建築基準法等の法令に基づく関係機関の検査に必要な書類を工事施工者の協力を得てとりまとめるとともに、当該検査に立会い、その指摘事項等について、工事施工者等が作成し、提出する検査記録等に基づき建築主に報告する。

正しい選択肢です。

建築基準法等の法令に基づく関係機関の検査に必要な書類を工事施工者の協力を得てとりまとめるとともに、当該検査に立会い、その指摘事項等について、工事施工者等が作成し、提出する検査記録等に基づき建築主に報告します。

まとめ

※参考

問題文に記載の、建築士法の規定に基づく「建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」とは、建築士による設計業務や工事監理業務の報酬額の目安を告示で定めたものです。

標準業務の内容や報酬の算定方法に加えて、その他の標準業務を行う場合は、その業務に見合った報酬を加算する必要がある旨が記されており、業務に対する報酬額や業務内容、責任範囲を明確にするという点で重要な内容となります。

参考になった数6

03

工事監理に関する標準業務に関する問題です。

選択肢1. 設計図書の内容を把握し、設計図書に明らかな、矛盾、誤謬、脱漏、不適切な納まり等を発見した場合には、設計者に報告し、必要に応じて建築主事に届け出る。

不適当な内容です。

監理者は「建築主」に報告し、必要に応じて建築主を通じて「設計者」に確認します。

選択肢2. 工事施工者から工事に関する質疑書が提出された場合、設計図書に定められた品質確保の観点から技術的に検討し、必要に応じて建築主を通じて設計者に確認の上、回答を工事施工者に通知する。

正しい内容です。

工事監理者は、工事施工者から工事に関する質疑書が提出された場合、必要に応じて建築主を通じて設計者に確認の上、回答を工事施工者に通知します。

選択肢3. 設計図書の定めにより、工事施工者が提案又は提出する工事材料が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、建築主に報告する。

正しい内容です。

工事監理者は、設計図書の定めにより工事施工者が提案又は提出する工事材料が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、建築主に報告します。

選択肢4. 工事請負契約に定められた指示、検査、試験、立会い、確認、審査、承認、助言、協議等を行い、また工事施工者がこれを求めたときは、速やかにこれに応じる。

正しい内容です。

工事監理者は、工事請負契約に定められた指示、検査、試験、立会い、確認、審査、承認、助言、協議等を行い、また工事施工者にこれを求められたときは、速やかにこれに応じます。

選択肢5. 建築基準法等の法令に基づく関係機関の検査に必要な書類を工事施工者の協力を得てとりまとめるとともに、当該検査に立会い、その指摘事項等について、工事施工者等が作成し、提出する検査記録等に基づき建築主に報告する。

正しい内容です。

工事監理者は、建築基準法等の法令に基づく関係機関の検査に必要な書類を工事施工者の協力を得てとりまとめるとともに、当該検査に立会い、その指摘事項等について、工事施工者等が作成し、提出する検査記録等に基づき建築主に報告します。

参考になった数3