二級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科1(建築計画) 問4
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問題
二級建築士試験 令和4年(2022年) 学科1(建築計画) 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
※ <改題>
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令の改正(令和4年4月1日施行)により、一酸化炭素の含有率の基準値について、要件の変更がありました。これに伴い元となる設問文を一部改題し、現行法に沿う形に修正しました。
- 開放型燃焼器具に対する必要換気量は、一般に、燃料消費量に対する理論廃ガス量の40倍である。
-
居室の空気中において、一般に、二酸化炭素の許容濃度は0.1%(1,000ppm)であり、毒性の強い一酸化炭素の許容濃度は0.0006%(6ppm)である。
- 温度差換気において、外気温度が室内温度よりも低い場合、中性帯よりも下方から外気が流入する。
- 第2種機械換気方式は、室内を正圧に維持することにより、周辺諸室からの汚染空気の流入を防ぐものである。
- 汚染物質が発生している室における必要換気量は、汚染物質の発生量が同じ場合、その室の容積の大小によって変化する。
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この過去問の解説 (2件)
01
法令での基準値や、原理を理解しましょう。
開放型燃焼器具に対する必要換気量は、建築基準法施行令と告示で定められており、理論廃ガス量に40を掛けて、さらに、発熱量を掛けて計算するので、記述の通りで正しいです。
居室の空気中において、一般に、二酸化炭素の許容濃度は0.1%(1,000ppm)であり、毒性の強い一酸化炭素の許容濃度は0.0006%(6ppm)である。
記述の通りで正しいです。
温度差換気では、外気温度が室内温度より低いと、室内では上昇気流となり、下部より、外部から空気が流入するので、記述の通りで正しいです。
第2種機械換気方式は、新鮮な空気を給気機で、取り入れることで、室内が正圧となり、排気は、自然排気されます。記述の通りで正しいです。清潔な状態を保つ必要がある手術室の換気に適しています。
汚染物質の排気を目的とした必要換気量の計算では、計算に必要な数値は、汚染物質の発生量と、室内の汚染物質の許容濃度と外気の汚染物質濃度の差なので、容積の大小に影響は受けないので、記述は誤りです。
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02
最も不適当な選択肢は、
「汚染物質が発生している室における必要換気量は、汚染物質の発生量が同じ場合、その室の容積の大小によって変化する。」です。
必要換気量を汚染物質の発生量から求める場合は、下式のように計算します。
必要換気量=室内汚染物質の量/(室内汚染物質の許容濃度-外気汚染物質の濃度)
以上から、汚染物質が発生している室の必要換気量に、室の容積は影響しません。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
正しい選択肢です。
理論廃ガス量とは、ある燃料を完全燃焼させた時の廃ガス量のことです。
開放型燃焼器具の必要換気量は、理論廃ガス量の40倍と規定されています。
居室の空気中において、一般に、二酸化炭素の許容濃度は0.1%(1,000ppm)であり、毒性の強い一酸化炭素の許容濃度は0.0006%(6ppm)である。
正しい選択肢です。
下記の数値は必ず覚えて正答できるようにしましょう。
二酸化炭素・・・・・1,000 ppm (0.1%)
一酸化炭素・・・・・6 ppm (0.0006%)
(出題当時は10ppmでしたが、法改正により2024年現在は6ppmに変更となりました。)
浮遊粉塵・・・・・・0.15 mg/㎥
ホルムアルデヒド・・0.1mg/㎥
※補足
ppm(parts per million パーツ・パー・ミリオン):100万分の1
1,000ppm
=1,000 / 1,000,000
=1 / 1,000
=0.1%
6ppm
=6 / 1,000,000
=0.0006%
正しい選択肢です。
温度差換気は、暖かい空気と冷たい空気の密度の差による圧力差を利用した換気方法です。
中性帯は、室内外の圧力差がつり合う部分のことです。
空気は温まると密度が低くなり、浮力が発生して上昇します。
外気温度が低く室内温度が高い場合は室内側の空気が上昇し、中性帯の上方から室内の空気が排出され、同時に中性帯の下方から外気が流入します。
正しい選択肢です。
機械換気の方法は、給気口・排気口の仕様に応じて第1種~第3種があります。
第1種 給気=機械 排気=機械 圧力=自由
第2種 給気=機械 排気=自然 圧力=正圧
第3種 給気=自然 排気=機械 圧力=負圧
第2種機械換気方式は、室内を正圧に維持することができる方式で、手術室など周辺諸室からの汚染空気の流入を防ぐ必要がある部屋に適しています。
不適当な選択肢です。
必要換気量は下式から計算できます。
必要換気量=室内汚染物質の量/(室内汚染物質の許容濃度-外気汚染物質の濃度)
上式のように、必要換気量を汚染物質の発生量から求める場合は、室容積は影響しません。
※補足
必要換気回数は、必要換気量/室容積 で求めるため、室容積の大小が影響します。
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