二級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科1(建築計画) 問7
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問題
二級建築士試験 令和4年(2022年) 学科1(建築計画) 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
採光・照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 昼光率は、室内の壁や天井の表面の反射の影響を受けない。
- 全天空照度は、直射日光による照度を含まない。
- 光の色の三原色は、赤、緑、青である。
- 事務室において、細かい視作業を伴う事務作業の作業面に必要な照度は、一般に、1,000 lx程度とされている。
- 光束は、ある面を単位時間に通過する光のエネルギー量を、視感度で補正した値である。
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この過去問の解説 (2件)
01
採光、照明では、昼光率に関して、特徴を理解しましょう。
昼光率は、室内にある点における昼光で、その点では、壁、天井の反射も影響されます。特に反射が高い白い壁は影響されます。よって、記述は誤りです。
全天空照度とは、全天空が眺められる様に、周囲に障害物がない状況で、直射日光を除いた全天空光による水平面の照度なので、記述の通りで正しいです。
光の色の三原色は、赤、緑、青で、混ぜると白になる加法混色です。記述の通りで正しいです。
照度基準JIS Z 9110では、細かい視作業を伴う事務作業(製図室など)は、1000lxが照度基準としているので、記述の通りで正しいです。
光束とは、記載の通りで、正しいです。すなわち、目に入ってくる全ての光のことです。
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02
最も不適当な選択肢は、
「昼光率は、室内の壁や天井の表面の反射の影響を受けない。」です。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
不適当な選択肢です。
昼光率は、室内の壁や天井の反射の影響を受けます。
昼光率とは、室内のある点が、直射日光以外の太陽光によってどの程度照らされるかを表す割合のことで、下式で表されます。
昼光率(%) = 室内のある点の水平面照度/屋外の全天空照度×100(%)
昼光率は、天気や時刻の影響を受けません。
全天空照度が変化しても、室内のある点の水平面照度は同じ割合で変化するためです。
(屋外が明るければ室内も明るくなるのと同じです)
ただし、昼光率は「窓の形状」「屋外の樹木や建物」「室内の内装の反射」「測定点の位置」の影響を受けます。
正しい選択肢です。
全天空照度とは、周囲に障害物のない屋外の水平面照度のことで、直射日光の影響を無視した天空光のみの照度で考えます。
正しい選択肢です。
光の三原色は赤・緑・青で、混ぜ合わせると明るさが増し白色に近づく加法混色です。
光の三原色はテレビのディスプレイ画面などに用いられています。
※参考
光の三原色に対して、色の三原色もあります。
色の三原色はマゼンタ(赤)・イエロー(黃)・シアン(青)で、混ぜ合わせると明るさが減少し黒色に近づく減法混色です。
色の三原色は印刷機のインクなどに用いられています。
正しい選択肢です。
事務室での細かい視作業を伴う事務作業に必要な照度は、1,000 lx程度が望ましいです。
※参考
「JIS Z 9110:照明基準総則」では、事務所の事務室の維持照度を750 lxとしています。
「JIS Z 9125:屋内作業場の照明基準」では、事務所の執務室の維持照度を750 lx、照度範囲を750~1,000 lxとし、
精密な視作業の場合は照度範囲(750~1,000 lx)の中で照度を高くすることが望ましいとしています。
(維持照度:ある面の平均照度が、使用期間中に下回らないように維持すべき値)
以上から、事務室での細かい視作業を伴う事務作業に必要な照度は、1,000lx程度となります。
正しい選択肢です。
光束は、光のエネルギーがある面を単位時間に通過する量を、視感度で補正した値です。
単位は「lm」(ルーメン)です。
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