二級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(建築法規) 問4

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問題

二級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(建築法規) 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

木造2階建て、延べ面積100m2の一戸建て住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
  • 敷地内の排水に支障がなかったので、建築物の敷地は、これに接する道の境よりも低くした。
  • 居室に設ける開口部で、公園に面するものについて、採光に有効な部分の面積を算定するに当たり、その公園の反対側の境界線を隣地境界線とした。
  • 居間(床面積16m2、天井の高さ2.5m)に機械換気設備を設けるに当たり、「居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準」による有効換気量を、20m3/hとした。
  • 回り階段の部分における踏面の寸法を、踏面の狭い方の端から30cmの位置において、15cmとした。
  • 階段(高さ3.0mの屋内の直階段)の高さ1.5mの位置に、踏幅1.1mの踊場を設けた。

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この過去問の解説 (3件)

01

建築基準法に適合しないものは

「居室に設ける開口部で、公園に面するものについて、採光に有効な部分の面積を算定するに当たり、その公園の反対側の境界線を隣地境界線とした。」

です。

道路の場合は、反対側の境界線です。

公園、広場、川、空地の場合は、幅の 1 / 2 です。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

選択肢1. 敷地内の排水に支障がなかったので、建築物の敷地は、これに接する道の境よりも低くした。

適合しています。

基本的に、建築物の敷地は排水を考慮して道路よりも高くしますが、敷地内の排水に支障がない場合は、建築物の敷地が道路より低くても良いです。(法第19条 第1項

選択肢2. 居室に設ける開口部で、公園に面するものについて、採光に有効な部分の面積を算定するに当たり、その公園の反対側の境界線を隣地境界線とした。

適合していません。

採光を算定する際の水平距離は、隣地が道路や公園など開放的な場所であれば、隣地境界線よりも広く計算することができます。

ただし、道路の場合と公園などの場合でその範囲が異なります。(令第20条 第2項 第1号

道路の場合→反対側の境界線

公園、広場、川、空地の場合→幅の 1 / 2

選択肢の場合は公園なので、公園の幅の 1 / 2 までとなります。

選択肢3. 居間(床面積16m2、天井の高さ2.5m)に機械換気設備を設けるに当たり、「居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準」による有効換気量を、20m3/hとした。

適合しています。

機械換気設備の有効換気量は、下記の必要有効換気量以上となるようにします。(令第20条の8 第1項 イ (1)

Vr = nAh

Vr:必要有効換気量[㎥/h]

n :住宅の居室の場合0.5

   その他の居室の場合0.3

A :床面積[㎡]

h :天井の高さ[m]

Vr = 0.5 × 16 × 2.5 = 20㎥/h

なので、有効換気量は20㎥/h以上あれば良いです。

選択肢4. 回り階段の部分における踏面の寸法を、踏面の狭い方の端から30cmの位置において、15cmとした。

適合しています。

回り階段の踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から30cmの位置で図ります。(令第23条 第2項

また、住宅の階段の踏面は15cm以上とします。(令第23条 第1項

選択肢5. 階段(高さ3.0mの屋内の直階段)の高さ1.5mの位置に、踏幅1.1mの踊場を設けた。

適合しています。

踊り場は、令23条 第1項の表(1)(2)の階段の場合は、高さ3mを超える場合に必要で、それ以外の階段の場合は、高さ4mを超える場合に必要です。(令第24条 第1項

また、上記の場合に設ける踊場の踏幅は、1.2m以上とします。(令第24条 第2項

今回の選択肢は、住宅で高さ3mの階段なので、上記で求められている踊場ではなく、踏幅1.2m以上の制限も受けません。

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02

構造一般に関する問題です。

選択肢1. 敷地内の排水に支障がなかったので、建築物の敷地は、これに接する道の境よりも低くした。

法第19条第1項ただし書きにより、適合しています。

選択肢2. 居室に設ける開口部で、公園に面するものについて、採光に有効な部分の面積を算定するに当たり、その公園の反対側の境界線を隣地境界線とした。

令第20条第2項第1号により、公園の幅の2分の1だけ隣地境界線の外側にある線とするため、適合していません。

選択肢3. 居間(床面積16m2、天井の高さ2.5m)に機械換気設備を設けるに当たり、「居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準」による有効換気量を、20m3/hとした。

令第20条の8第1項第1号の規定により、有効換気量≧必要換気量を確認します。

有効換気量=0.5✕16✕2.5=m3/hとなり、適合しています。

選択肢4. 回り階段の部分における踏面の寸法を、踏面の狭い方の端から30cmの位置において、15cmとした。

令第23条第1項ただし書き、同条第2項により適合しています。

選択肢5. 階段(高さ3.0mの屋内の直階段)の高さ1.5mの位置に、踏幅1.1mの踊場を設けた。

令第23条第1項の表に該当しないため、踊り場を設ける必要がありません。

任意で踊り場を設けた場合は法令の適用はないため、適合しています。

参考になった数1

03

建築基準法だけではなく、建築基準法施行令にもしっかりと目を通しましょう。

選択肢1. 敷地内の排水に支障がなかったので、建築物の敷地は、これに接する道の境よりも低くした。

正。

法第19条第1項より、

建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならないが、排水に支障がない場合は接する道の境よりも低くできます。

選択肢2. 居室に設ける開口部で、公園に面するものについて、採光に有効な部分の面積を算定するに当たり、その公園の反対側の境界線を隣地境界線とした。

誤。

令第20条第2項第1号より、

採光に有効な部分の面積を算定するに当たり、隣地が公園、広場、川等の場合は、幅の1/2だけ隣地境界線の外側にある線を隣地境界線とします。

また、道路の場合は反対側の境界線を隣地境界線とします。

選択肢3. 居間(床面積16m2、天井の高さ2.5m)に機械換気設備を設けるに当たり、「居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準」による有効換気量を、20m3/hとした。

正。

令第20条の8第1項イ(1)より、

機械換気設備の有効換気量は、「Vr=nAh」の式で計算した必要有効換気量以上であるようにします。

Vr:必要有効換気量(単位 一時間につき立方メートル)

n:住宅等の居室にあっては0.5、その他の居室にあっては0.3

A:居室の床面積(㎡)

h:居室の天井の高さ(m)

Vr=nAh

 =0.5×16×2.5

 =20㎥/h

よって、有効換気量を20㎥/hとするのは正解です。

選択肢4. 回り階段の部分における踏面の寸法を、踏面の狭い方の端から30cmの位置において、15cmとした。

正。

令第23条第2項より、

回り階段の部分いん置ける踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から30cmの位置で測ります。

令第23条第1項より、

住宅の階段の踏面は15cm以上とします。

選択肢5. 階段(高さ3.0mの屋内の直階段)の高さ1.5mの位置に、踏幅1.1mの踊場を設けた。

正。

高さ3.0mの屋内の直階段は、令第24条第1項に当てはまらないため、

令第24条第1項の踊場の位置や令第24条第2項の踏幅の制限は受けません。

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