二級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科3(建築構造) 問16
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問題
二級建築士試験 令和4年(2022年) 学科3(建築構造) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- H形断面を有する梁が強軸まわりに曲げを受ける場合、梁の細長比が大きいほど許容曲げ応力度は大きくなる。
- 柱の根巻き形式柱脚において、一般に、根巻き部分の鉄筋コンクリートの主筋は4本以上とし、その頂部をかぎ状に折り曲げたものとする。
- 横移動が拘束されているラーメンの柱材の座屈長さは、精算を行わない場合は節点間距離にすることができる。
- トラスの弦材においては、一般に、構面内の座屈に関する座屈長さを、精算を行わない場合は節点間距離とすることができる。
- 鉄骨造の建築物の筋かいの保有耐力接合においては、軸部の全断面が降伏するまで、接合部が破断しないことを計算によって確認する。
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この過去問の解説 (2件)
01
鉄骨構造では、「細長比」などの用語の意味や根巻き形式柱脚などの数値関連、座屈長さ、筋かいの考え方など覚えることが多岐に渡ります。
一部の内容は計算問題や他の構造とも関連するので、セットにして効率よく覚えましょう。
誤った選択肢です。
細長比は、その部材の細さ・長さを示す数値で、値が大きいほど細長く弱い部材となります。
そのため、梁の細長比が大きいほど許容曲げ応力度は小さくなります。
正しい選択肢です。
根巻き部分の鉄筋コンクリートの主筋は4本以上とし、主筋の頂部をかぎ状に折り曲げたものとします。
また、根巻部分の鉄筋コンクリートの高さは柱せい(柱幅の大きい方)の2.5倍以上とします。
正しい選択肢です。
横移動が拘束されているラーメンの柱材の座屈長さは、理論上は接点間距離となります。
ただし、精算によって梁の剛性等を考慮する場合、座屈長さは接点間距離を上回ることがあります。(なお、座屈長さが接点間距離を下回ることはありません)
正しい選択肢です。
トラスの弦材の座屈長さは、精算によらない場合、
「構面内の座屈」に対しては節点間距離とし、
「構面外の座屈」に対しては横方向に補剛された支点間距離をもって座屈長さとします。
正しい選択肢です。
鉄骨造の場合、筋かい軸部の方が高い靭性を有しているため、筋かいの軸部が先に降伏し、軸部が降伏するまで接合部が破断しないようにします。
※参考
木造では、筋かい軸部の靭性は低い一方で、接合部はボルトや木材がめり込むことで靭性を確保できるため、接合部の破壊を先行させた方が靭性を確保できます。
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02
鉄骨構造に関する問題では、数値等注意する部分が多いです。
誤。
細長比は大きいほど細長く、弱い部材ということになります。
許容曲げ応力度は、部材が許容できる曲げ応力度のことです。
よって、細長比が大きい梁は、許容曲げ応力度は小さくなります。
正。
根巻き形式柱脚は、鉄骨柱を鉄筋コンクリート柱で被覆します。
根巻き部分の鉄筋コンクリートの主筋は4本以上とし、その頂部をかぎ状に折り曲げます。
根巻き部分の鉄筋コンクリートの高さは柱せいの2.5倍以上とします。
正。
横移動が拘束されているラーメンの柱材の座屈長さは、精算を行わない場合は節点間距離とします。
精算を行う場合(梁の剛性等を考慮する場合)、座屈長さが接点間距離を上回ることがあります。
正。
トラスの弦材の座屈長さは、精算を行わない場合、「構面内座屈」に対しては節点間距離とします。
また、「構面外座屈」に対しては横方向に補剛された支点間距離をもって座屈長さとします。
正。
鉄骨造の建築物の筋かいの保有耐力接合においては、軸部の全断面が降伏するまで、接合部が破断しないことを計算によって確認します。
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