二級建築士 過去問
令和4年(2022年)
問71 (学科3(建築構造) 問21)
問題文
コンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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問題
二級建築士試験 令和4年(2022年) 問71(学科3(建築構造) 問21) (訂正依頼・報告はこちら)
コンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- コンクリートのヤング係数は、一般に、圧縮強度が高いものほど大きい。
- アルカリ骨材反応によるコンクリートのひび割れは、骨材中の成分がセメントペースト中に含まれるアルカリ分と反応し、骨材が膨張することによって生じる。
- 水セメント比が小さいコンクリートほど、中性化速度は遅くなる。
- コンクリートの線膨張係数は、常温時において、鉄筋の線膨張係数とほぼ等しい。
- コンクリートの耐久設計基準強度は、計画供用期間の級が「標準」の場合より「長期」の場合のほうが小さい。
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この過去問の解説 (3件)
01
いずれの選択肢もコンクリートに関する基本的な特性を問う内容です。
ヤング係数と圧縮強度の関係や、水セメント比と中性化速度・圧縮強度の関係は大小が入れ替わって出題されることもあるので、確実に覚えて正答できるようにしましょう。
正しい選択肢です。
コンクリートのヤング係数は、圧縮強度が高いほど大きくなります。
正しい選択肢です。
アルカリ骨材反応によるひび割れは、骨材中の成分とセメント内のアルカリ分が反応し、吸水膨張することで生じます。
正しい選択肢です。
水セメント比は、 単位水量/単位セメント量 で表されます。
単位水量が多ければ水セメント比は大きくなり、単位セメント量が多ければ水セメント比は小さくなります。
水セメント比が小さいほど(単位セメント量が多いほど)コンクリートの性能は良くなる傾向があります。
・水セメント比が小さいコンクリートほど、中性化速度は遅くなります。
・水セメント比が小さいコンクリートほど、圧縮強度は大きくなります。
正しい選択肢です。
コンクリートの線膨張係数は、常温時において、鉄筋の線膨張係数とほぼ等しく、
約 1×10⁻⁵(1/℃) です。
不適当な選択肢です。
耐久設計基準強度は、計画供用期間の級に応じて異なります。
「短期」 ……18N/mm2
「標準」 ……24N/mm2
「長期」 ……30N/mm2
「超長期」…..36N/mm2
以上より、「標準」の場合より「長期」の場合のほうが大きいです。
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02
コンクリートの基本的な特徴はしっかりと覚えておきましょう。
正。
コンクリートのヤング係数は、圧縮強度が高いものほど大きいです。
ヤング係数は大きいと固く、小さいと柔らかいということを表します。
正。
骨材中の成分がセメントペースト中に含まれるアルカリ分と反応し、骨材が膨張することによってアルカリ骨材反応によるコンクリートのひび割れが生じます。
正。
水セメント比が小さいほど中性化速度は遅くなり、圧縮強度が大きくなります。
正。
コンクリートの線膨張係数と鉄筋の線膨張係数はほぼ等しく、約1×10⁻⁵(1/℃) です。
誤。
コンクリートの耐久設計基準強度は、「標準」で24N/mm2、「長期」で30N/mm2となるため、長期の場合のほうが大きくなります。
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03
この問題では、コンクリートに関する記述が正しいかどうかを判断することが求められています。
この選択肢は正しいです。
コンクリートのヤング係数(弾性係数)は、圧縮強度が高いほど大きくなります。
この選択肢は正しいです。
アルカリ骨材反応(ASR)は、骨材中のシリカ成分がセメントペースト中のアルカリ分と反応し、膨張を引き起こしてひび割れを生じる現象です。
この選択肢は正しいです。
水セメント比が小さいコンクリートは、より密実であり、中性化速度が遅くなります。
中性化はコンクリート中のカルシウム水酸化物が二酸化炭素と反応する現象であり、密実なコンクリートでは進行が遅くなります。
この選択肢は正しいです。
コンクリートの線膨張係数は、常温時において鉄筋の線膨張係数とほぼ等しいです。
温度変化による膨張・収縮の挙動が鉄筋と一致することは、構造的な問題が生じにくくなります。
この選択肢は不適当です。
計画供用期間が「長期」の場合は、より高い耐久性が求められるため、耐久設計基準強度は「標準」の場合よりも大きく設定されます。
したがって、計画供用期間が「長期」の場合のほうが耐久設計基準強度が小さいという記述は不適当です。
参考に耐久設計基準強度は以下のとおりです。
短期 :18N/mm2
標準 :24N/mm2
長期 :30N/mm2
超長期:36N/mm2
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