二級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科1(建築計画) 問12

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問題

二級建築士試験 令和5年(2023年) 学科1(建築計画) 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

集合住宅の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 住戸の自由な間取りを実現するために、入居希望者が組合をつくり、住宅の企画・設計から入居・管理までを運営していくコーポラティブハウスとした。
  • 車椅子使用者の利用を考慮して、主要な経路の廊下には、50m以内ごとに140cm角以上の車椅子の転回が可能なスペースを設けた。
  • 専用面積が小さい住戸で構成する集合住宅を、メゾネット型とした。
  • 中廊下型の集合住宅において、住棟を南北軸とし、その東西に住戸を並べる配置とした。
  • 居住部分の内装仕上げや設備等を入居者や社会の変動に応じて容易に改修・更新することができる、スケルトン・インフィル住宅とした。

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この過去問の解説 (1件)

01

集合住宅の計画に関する問題では、住宅の設計や構造、利用者のニーズに応じた適切な対応が求められます。

具体的には、住戸の自由な間取りの実現、車椅子使用者のためのバリアフリー設計、集合住宅のタイプや配置に関する知識、内装や設備の改修・更新の可能性などがポイントとなります。

選択肢1. 住戸の自由な間取りを実現するために、入居希望者が組合をつくり、住宅の企画・設計から入居・管理までを運営していくコーポラティブハウスとした。

この選択肢は適当です。

コーポラティブハウスは、入居者が共同で住宅の企画、設計から管理までを行う形態で、住戸の自由な間取りの実現を可能にします。

入居希望者が組合を作り、全体の運営に関与することで、より住みやすい空間が提供されるとともに、入居者のニーズに合った設計が可能となります。

選択肢2. 車椅子使用者の利用を考慮して、主要な経路の廊下には、50m以内ごとに140cm角以上の車椅子の転回が可能なスペースを設けた。

この選択肢は適当です。

車椅子の利用を考慮した設計において、廊下の幅や転回スペースの確保は重要な要素です。

50m以内に140cm角以上の転回スペースを設けることで、車椅子使用者がスムーズに移動し、転回できる環境が提供されます。

これはバリアフリー設計の基本的な配慮事項となります。

選択肢3. 専用面積が小さい住戸で構成する集合住宅を、メゾネット型とした。

この選択肢は不適当です。

メゾネット型住宅は、階層構造を持つ住宅で、通常は広めの住戸に適用され、専用面積が小さい住戸には一般的には適していません。

小さい面積の住戸には、むしろ単層またはシンプルなフロアプランが適しており、メゾネット型は面積に余裕がある場合に利用されることが多いです。

選択肢4. 中廊下型の集合住宅において、住棟を南北軸とし、その東西に住戸を並べる配置とした。

この選択肢は適当です。

中廊下型の集合住宅では、住棟を南北に配置し、東西に住戸を並べる配置が適切です。

これにより、住戸に自然光を取り入れやすく、通風も良好に保たれるため、住環境が向上します。

選択肢5. 居住部分の内装仕上げや設備等を入居者や社会の変動に応じて容易に改修・更新することができる、スケルトン・インフィル住宅とした。

この選択肢は適当です。

スケルトン・インフィル住宅は、建物の骨組み(スケルトン)と内装(インフィル)を分離して設計することで、内装や設備の改修・更新を容易にする方式です。

この設計により、社会の変動や入居者のニーズに応じて、住宅の内部を柔軟に変更できるため、長期間にわたり使い勝手が良い住宅を提供できます。

まとめ

集合住宅の計画においては、住戸の間取りや機能性、バリアフリー対応、設計の柔軟性などが重要です。

コーポラティブハウスやバリアフリー設計は、住人のニーズに応じた住宅提供を可能にしますが、面積に適した設計や配置は実用性に直接影響します。

メゾネット型住宅は広めの住戸に適し、専用面積が小さい住戸には不適切です。

また、中廊下型の配置やスケルトン・インフィル住宅は、住環境の快適性や改修の容易さを考慮した設計として有効です。

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