二級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科1(建築計画) 問25

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問題

二級建築士試験 令和5年(2023年) 学科1(建築計画) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

省エネルギー等に配慮した建築・設備計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 従来の冷却除湿方式の空調に比べて潜熱のみを効率よく除去できる、デシカント空調方式を用いた。
  • 空気搬送の圧力損失を低減するため、天井チャンバー方式を用いた。
  • 雨水利用システムにおける雨水の集水場所を、集水する雨水の汚染度を考慮して、屋根面とした。
  • 庇下部の窓面からの日射を遮蔽しつつ、庇上部の窓面から自然光を室内に導く採光手法であるライトシェルフを用いた。
  • 窓システムにおいて、ダブルスキン方式に比べて日射による窓部からの熱負荷の低減効果が高い、エアバリア方式を用いた。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は建築物のエネルギー効率を高めるための様々な設備や設計手法が問われています。

現代の建築では、環境に配慮した省エネルギー設計が重要視されています。

効率的な空調システム、採光方法、雨水利用システム、日射遮蔽などが適切に設計されていることがポイントです。

選択肢1. 従来の冷却除湿方式の空調に比べて潜熱のみを効率よく除去できる、デシカント空調方式を用いた。

この選択肢は適当です。

デシカント空調方式は、従来の冷却除湿方式に比べて潜熱のみを効率よく除去することが可能です。

このシステムは、吸湿性のある物質(デシカント)を用いて湿度を調整し、冷却による温度調整と湿度調整を分離することで、エネルギー消費を削減します。

特に湿度の高い環境では有効で、省エネルギー効果が高い空調方式として注目されています。

選択肢2. 空気搬送の圧力損失を低減するため、天井チャンバー方式を用いた。

この選択肢は適当です。

天井チャンバー方式は、空気搬送の圧力損失を低減するための方法として用いられます。

空気の流れを効率よく制御し、圧力損失を抑えることで、空調のエネルギー消費を削減する効果があります。

天井チャンバー方式は、空調ダクトを最小限に抑え、空間全体に均等に空気を分散させるため、大規模な空間における省エネ効果が高いシステムです。

選択肢3. 雨水利用システムにおける雨水の集水場所を、集水する雨水の汚染度を考慮して、屋根面とした。

この選択肢は適当です。

雨水利用システムにおける集水場所として屋根面を選ぶことは、集められる雨水の汚染度を考慮した上で適切な判断です。

屋根面は一般的に汚染物質が少なく、他の地面や道路に比べて清浄な雨水を集めることができます。

雨水を利用するシステムは、環境負荷を低減し、水資源の有効活用に貢献するため、特に都市部においては有効です。

選択肢4. 庇下部の窓面からの日射を遮蔽しつつ、庇上部の窓面から自然光を室内に導く採光手法であるライトシェルフを用いた。

この選択肢は適当です。

ライトシェルフは、庇下部の窓面からの日射を遮蔽しつつ、庇上部の窓面から自然光を室内に導入する手法です。

この手法により、直射日光による過度な室温上昇を抑えながら、自然光を有効に活用して室内の照明負荷を軽減します。

特に昼光を利用することで、エネルギー消費を抑えながら快適な室内環境を作ることができるため、持続可能な建築設計においては重要な手法となります。

選択肢5. 窓システムにおいて、ダブルスキン方式に比べて日射による窓部からの熱負荷の低減効果が高い、エアバリア方式を用いた。

この選択肢は不適当です。

エアバリア方式は、ダブルスキン方式と比較すると、窓部からの日射による熱負荷の低減効果が劣ることが一般的です。

ダブルスキン方式は、外側と内側の二重のガラス層によって空気の断熱層を形成し、外部からの日射熱を効果的に遮断します。

一方、エアバリア方式は、主に風や空気の流れを遮断するものであり、日射熱の遮蔽効果はそれほど高くありません。

まとめ

この問題は、省エネルギー設計における各設備や手法の効果を正しく理解し、適切に選択できるかを問うものです。

エネルギー効率の高い空調システムや自然光の活用、雨水利用システムなど、建築物の省エネ性能を高めるための技術や手法が多岐にわたって扱われます。

特に、日射や空気の流れに対する遮蔽方法については、設置場所や環境条件に応じて最適な選択が求められます。

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