クレーン・デリック運転士の過去問
令和4年(2022年)10月
原動機及び電気に関する知識 問7

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和4年(2022年)10月 原動機及び電気に関する知識 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

クレーンの電動機の速度制御方式などに関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
  • かご形三相誘導電動機では、電源回路に抵抗器、リアクトル、サイリスターなどを挿入し、電動機の始動電流を抑えて、緩始動を行う方法がある。
  • かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、電源の周波数を周波数変換器で変えて電動機に供給し回転数を制御するもので、精度の高い速度制御ができる。
  • 巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、固定子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するもので、始動時には二次抵抗を順次短絡することにより、緩始動することができる。
  • 巻線形三相誘導電動機の電動油圧押上機ブレーキ制御は、機械的な摩擦力を利用して制御するため、ブレーキドラムが過熱することがある。
  • 直流電動機のワードレオナード制御は、負荷に適した速度特性が自由に得られるが、設備費が極めて高い。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題では、クレーンの電動機の速度制御方式や制御の特徴に関する記述が正しいかどうかを判断し、不適切な記述を特定します。

選択肢1. かご形三相誘導電動機では、電源回路に抵抗器、リアクトル、サイリスターなどを挿入し、電動機の始動電流を抑えて、緩始動を行う方法がある。

この記述は正しいです。

かご形三相誘導電動機では、電源回路に抵抗器やサイリスターなどを挿入することで、始動電流を抑え、滑らかな始動(緩始動)を実現できます。特にサイリスターを用いた制御は一般的です。

選択肢2. かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、電源の周波数を周波数変換器で変えて電動機に供給し回転数を制御するもので、精度の高い速度制御ができる。

この記述は正しいです。

インバーター制御は、周波数変換による回転数の制御方式であり、高精度な速度制御が可能です。かご形三 相誘導電動機の速度制御として広く採用されています。

選択肢3. 巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、固定子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するもので、始動時には二次抵抗を順次短絡することにより、緩始動することができる。

この記述は誤りです。 

巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御では、速度制御のために「回転子の二次側」に抵抗器を接続します。 選択肢の記述にある「固定子の巻線に接続した抵抗器」という説明は誤りです。また、緩始動においても短絡するのは回転子側の抵抗です。

選択肢4. 巻線形三相誘導電動機の電動油圧押上機ブレーキ制御は、機械的な摩擦力を利用して制御するため、ブレーキドラムが過熱することがある。

この記述は正しいです。

電動油圧押上機ブレーキは、機械的な摩擦力を利用して制御を行います。そのため、連続運転や高負荷時に は、摩擦によりブレーキドラムが過熱することがあります。

選択肢5. 直流電動機のワードレオナード制御は、負荷に適した速度特性が自由に得られるが、設備費が極めて高い。

この記述は正しいです。

ワードレオナード制御は、速度特性の自由度が高く、高精度な速度制御が可能ですが、設備が複雑で高コスト です。

まとめ

この問題では、各電動機の速度制御方式の特徴やその用途についての理解が求められます。選択肢3が不適切な記述であり、他の選択肢は正しい内容です。電動機の制御方法について正確に理解しておくことが重要です。

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