建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第50回(令和2年度(2020年))
問86 (空気環境の調整 問86)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第50回(令和2年度(2020年)) 問86(空気環境の調整 問86) (訂正依頼・報告はこちら)

光と照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 光色は、色温度が高くなるにしたがって、赤い色から青っぽい白色に変化する。
  • 事務所における文書作成作業においては、製図作業よりも高い維持照度が求められる。
  • 光色が同じであっても、蛍光ランプとLED とでは分光分布が異なる。
  • 観測者から見た照明器具の発光部の立体角が大きいほど、照明器具の不快グレアの程度を表すUGRの値は大きくなる。
  • 基準光で照らした場合の色をどの程度忠実に再現できるかを判定する指標として、演色評価数が用いられる。

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この過去問の解説 (1件)

01

事務所の文書作成作業では、製図作業よりも高い維持照度が求められる という説明が誤りです。JIS照度基準では、一般的な文書作成には約500ルクス、製図のように細かい線を扱う作業には750〜1,000ルクスが推奨されます。細かい作業ほど明るさが必要なので、この記述は逆になっています。

選択肢1. 光色は、色温度が高くなるにしたがって、赤い色から青っぽい白色に変化する。

色温度が低いと夕焼けのような暖かい赤色、高くなると昼空のような青白い色になります。一般に2,700Kは電球色、5,000Kを超えると昼白色、6,500K付近で青白く感じます。

選択肢2. 事務所における文書作成作業においては、製図作業よりも高い維持照度が求められる。

実際は逆です。製図や精密組み立ては線や細部を読み取るため、文書より明るさが必要です。この点が不適当です。

選択肢3. 光色が同じであっても、蛍光ランプとLED とでは分光分布が異なる。

同じ白色でも、蛍光ランプは水銀放電と三波長蛍光体、LEDは青色チップと蛍光体など、発光の仕組みが違うため分光分布も異なります。

選択肢4. 観測者から見た照明器具の発光部の立体角が大きいほど、照明器具の不快グレアの程度を表すUGRの値は大きくなる。

UGR(不快グレア指標)は、光束・視方向・器具の見える大きさで決まります。見える立体角が大きいほどまぶしさが増え、UGRも上がります。

選択肢5. 基準光で照らした場合の色をどの程度忠実に再現できるかを判定する指標として、演色評価数が用いられる。

演色評価数Raは、基準光源と比べたときの色の再現度を0〜100で示します。数値が高いほど色の再現性が良好です。

まとめ

明るさの基準は作業の細かさで決まります。製図のように細い線を扱う作業は、文書作成より高い照度が必要です。照明計画では色温度・分光分布・まぶしさ・演色性など複数の要素を合わせて考えることが大切です。

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