建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第53回(令和5年度(2023年))
問39 (建築物の環境衛生 問39)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第53回(令和5年度(2023年)) 問39(建築物の環境衛生 問39) (訂正依頼・報告はこちら)

紫外線に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 紫外線には殺菌作用がある。
  • 紫外線は皮膚表層で吸収される。
  • 紫外線のリスクとして悪性黒色腫の発生がある。
  • 紫外線の曝(ばく)露が起こる作業の一つにアーク溶接がある。
  • 紫外線の曝(ばく)露による白内障は、ガラス工白内障として古くから知られている。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「紫外線の曝露による白内障は、ガラス工白内障として古くから知られている。」です。

 

この問題は、紫外線の特性と人体への影響に関するものです。

紫外線は波長によって体内への侵達度が異なるため、注意が必要です。

また赤外線と混同しないようにしましょう。

紫外線の健康被害には皮膚や眼への影響が多く、職業病との関係も深いので、

ビル管理においても、紫外線殺菌装置の安全管理や曝露対策が重要となります。

選択肢1. 紫外線には殺菌作用がある。

正しいです。紫外線(特にUV-C)は細菌やウイルスのDNAを破壊し、

殺菌・消毒に利用されています。

空気清浄機や水の殺菌にも使われており、

病院の手術室でUV-C空気殺菌装置を導入の事例があります。

選択肢2. 紫外線は皮膚表層で吸収される。

正しいです。紫外線は主に皮膚の角質層や表皮で吸収されます。

UVAは比較的深く進入しますが、UVBやUVCはほとんど表層で止まり、

特にUVCは大気中で遮断されます。これにより、通常は真皮には到達せず、

細胞核損傷は表皮レベルで起こるため、皮膚表層での吸収が主とされます。

選択肢3. 紫外線のリスクとして悪性黒色腫の発生がある。

正しいです。紫外線(特にUV-B)への長時間暴露は、

皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)の発症リスクを高めることが知られています。

屋外作業員がメラノーマで皮膚科に受診した事例があります。

選択肢4. 紫外線の曝(ばく)露が起こる作業の一つにアーク溶接がある。

正しいです。アーク溶接では強力な紫外線が発生して、

「電気性眼炎」や皮膚炎の原因となるため、

防護具の着用が義務付けられています。

作業員はこの時期は日差し以外にも注意が必要です。

溶接作業後に電気性眼炎で眼科に受診した事例が報告されています。

選択肢5. 紫外線の曝(ばく)露による白内障は、ガラス工白内障として古くから知られている。

不適当です。紫外線による白内障は、近年の疫学調査でその関係性が明らかになりました。

「ガラス工白内障」は高温や赤外線曝露による水晶体障害が原因であり、

紫外線とはメカニズムが異なります。

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