賃貸不動産経営管理士の過去問
平成30年度(2018年)
問19
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問題
賃貸不動産経営管理士試験 平成30年度(2018年) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
普通建物賃貸借契約(定期建物賃貸借契約でない建物賃貸借契約をいう。以下、各問において同じ。)の解約及び更新拒絶に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 貸主からの期間内解約条項がある場合には、貸主からの解約申入れに正当事由は不要である。
- 賃貸建物の老朽化が著しいことを理由として更新を拒絶する場合、貸主は立退料を支払うことなく、当然に正当事由が認められる。
- 貸主による更新拒絶通知に正当事由がある場合であっても、期間満了後に借主が建物を継続して使用し、貸主がそれに対して遅滞なく異議を述べなかった場合には、契約は更新されたものとみなされる。
- 契約期間満了までに、更新について合意が成立しない場合、特約のない限り、従前と同一条件かつ同一期間で賃貸借契約が当然に更新されたものとみなされる。
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この過去問の解説 (3件)
01
肢1 正しいとはいえない
普通建物賃貸借契約を締結する際、賃貸人からの期間内解約を認める条項を設けたとしても、解約が認められるためには正当事由が必要となります(民法618条・借地借家法28条)。
肢2 正しいとはいえない
賃貸人が普通建物賃貸借契約の更新を拒絶するには、正当事由が認められる必要があります。そして、正当事由の有無は、賃貸人による賃貸建物の利用の必要性の大小や、賃貸人が賃借人に提示した立退き料の額等の諸要素を踏まえて総合的に判断されます。それゆえ、賃貸建物の著しい老朽化は正当事由を判断する際の一要素とはなっても、それのみで当然に正当事由が認められることにはなりません。
肢3 正しい
普通建物賃貸借契約の更新を賃貸人側から拒絶するためには、正当事由を具備している必要があります。もっとも、諸要素の総合判断によって正当事由が認められたとしても、契約期間満了後に、本来であれば退去すべき賃借人がそのまま建物を使用し続けていることに遅滞なく異議を述べなければ、従前と同一の条件で契約が更新されたものとみなされます(借地借家法26条2項)。
肢4 正しいとはいえない
賃貸人側からの正当事由を伴う更新拒絶がなければ、普通建物賃貸借契約は法定更新されます。そして、当初の契約期間の満了までに更新について合意が成立しなかった場合、契約期間を除いて、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます(借地借家法26条1項)。
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02
1 .誤りです。
貸主からの解約申入れは、正当事由が必要です。(借地借家法28条)
また、期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保(民法618条)をした場合でも正当事由が必要です。
2 .誤りです。
貸主からの解約の申入れの正当事由は下記を総合的に考慮して判断します。
①建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情
②建物の賃貸借に関する従前の経過
③建物の利用状況及び建物の現状
④建物の賃貸人が明渡しの条件として、または建物の明渡しと引換えに賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出
(借地借家法28条)
3 .正しいです。
貸主による更新拒絶通知に正当事由がある場合であっても、期間満了後に借主が建物を継続使用し、それに対して貸主が遅滞なく意義を述べない場合は、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされます(借地借家法26条)
4 .誤りです。
契約期間満了までに更新について合意が成立しない場合、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされます。ただし、更新後は特約がなければ、『期間の定めのない賃貸借契約』となります。(借地借家法26条)
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03
正しいものは『貸主による更新拒絶通知に正当事由がある場合であっても、期間満了後に借主が建物を継続して使用し、貸主がそれに対して遅滞なく異議を述べなかった場合には、契約は更新されたものとみなされる。』です。
誤り。
貸主からの期間内解約条項がある場合でも、貸主からの解約申入れには正当事由が必要です。
誤り。
貸主から更新を拒絶する場合、正当事由が必要です。
正当事由に該当するか否かは、複数の要素を総合的に考慮して判断するため、賃貸建物の老朽化が著しいことのみを理由として、当然に正当事由が認められるわけではありません。
正しい。
貸主による更新拒絶通知に正当事由がある場合であっても、期間満了後に借主が建物を継続して使用し、貸主がそれに対して遅滞なく異議を述べなかった場合には、契約は更新されたものとみなされます。
誤り。
契約期間満了までに、更新について合意が成立しない場合、特約のない限り、従前と同一条件で賃貸借契約が更新されたものとみなされますが、更新後は期間の定めのない契約となります。
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