第三種電気主任技術者の過去問
平成27年度(2015年)
理論 問20

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第三種 電気主任技術者試験 平成27年度(2015年) 理論 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

図のようなV結線電源と三相平衡負荷とからなる平衡三相回路において、R=5Ω、L=16mHである。また、電源の線間電圧e[V]は、時刻t[s]においてe=100√6sin(100πt)[V]と表され、線間電圧eb[V]はea[V]に対して振幅が等しく、位相が120°遅れている。ただし、電源の内部インピーダンスは零である。このとき、次の問に答えよ。

この設問は、(前問)の続きの設問となります。

点線部を接続することによって同じ特性の3個のコンデンサを接続したところ、iaの波形はeaの波形に対して位相が30°遅れていた。このときのコンデンサCの静電容量の値[F]として、最も近いものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 3.6✕10−5
  • 1.1✕10−4
  • 3.2✕10−4
  • 9.6✕10−3
  • 2.3✕10−4

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

前問から続く問題です。

コンデンサがない場合、

交流波の一般式は

e=√2Esin(2πft)=100√6sin(100πt)

よって

実効値E=100√3

周波数f=50

であることがわかります。

L=16mHのリアクタンスXlは

Xl=2πfL≒5Ω

したがって合成インピーダンスZは

Z=√(5^2+5^2)=5√2Ω

三相電力Pは

P=3RI^2=3×5×{(100√3/√3)/5√2}^2=3kW

ここまでが前問の回答です。

この問いではCを接続したときに線間電流iaの波形が相電圧eaに対して30°遅れることから、接続されたコンデンサによって力率が改善し、静電容量がちょうどコイルによって生じる無効電力を打ち消す大きさを持つことがわかります。

前問でコイルのリアクタンスXlも抵抗も5Ωであることから、有効電力と無効電力の大きさは等しいため、無効電力も3kWとなります。

コンデンサを接続することで無効電力が0になることから、

3×2πfCV^2=3000

C≒1.1×10^(-4)F

となります。

参考になった数12

02

正解は2番の、1.1*10^-4[F]です。


【解説】

線間電圧と相電圧の位相差を考えると、
相電圧は、線間電圧に対して、位相が30°遅れています。

また、問題文より
「iaの波形は、eaの波形に対して、位相が30°遅れていた。」

とあります。

eaはこの問題においては、線間電圧ですので、相電圧とiaは同相ということになります。

つまり、コンデンサ接続前の無効電力の値を、打ち消すC[F]の値を求めればよいことになります。


【計算】

1、eaの実効値E[V] と 周波数f[Hz]を求めます。

 ea=E√2sin(2πft)=100√6sin(100πt)より

 E=100√3[V]
 f=50[Hz]


2、1相分の合成インピーダンスZの大きさを求めます。

 Z=√(R^2+(2πfL)^2) より
  =√(5^2+(2π*50*16*10^-3)^2)
  ≒7[Ω]


3、電流I[A]を求めます。

 I=(E/√3) / Z [A] より
  =(100√3/√3) / 7
  ≒14.3[A]


4、三相無効電力Q[var] を求めます。

  Q=3(ωL)I^2[var] より
   =3*(100π*16*10^-3)*14.3^2
   ≒3082[var]


5、コンデンサを、問題図の点線のように接続することで、上記の3082[var]が打ち消されるため、以下の式が成り立ちます。

 3082=3ωCE^2


6、C[F]を求めます。

 C=3082/(3*100π*(100√3)^2)
  ≒1.1*10^-4[F]

となります。

参考になった数9

03

ωC=3ωL/(9R2+9ω2L2)であるため、下記のとおり式変形できます。

C=1/3×L/(R22L2)

  =1/3×0.016/(52+1002π2×0.0162)

  =1.1×10-4[F]

参考になった数2