第三種電気主任技術者の過去問
平成27年度(2015年)
理論 問22

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成27年度(2015年) 理論 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

演算増幅器(オペアンプ)について、次の間に答えよ。

図のような直流増幅回路がある。この回路に入力電圧0.5Vを加えたとき、出力電圧V0の値[V]と電圧利得AVの値[dB]の組合せとして、最も近いものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 0:7.5   AV:12
  • 0:−15   AV:12
  • 0:−7.5  AV:24
  • 0:15   AV:24
  • 0:7.5   AV:24

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5番の、V0:7.5[V]   AV:24[dB] です。


【解説】
当問題を解くためには、演算増幅器特有の考え方(計算方法)を知っておく必要があります。

(1)イマージナルショート(仮想短絡)
 問題文に「演算増幅器は理想的なものとし」と書いてあるため、増幅率Avは無限大と言えます。

 出力電圧=Av*入力電圧 より

 入力電圧=出力電圧/Av=出力電圧/∞=0[V]

 つまり、理想的な演算増幅器の入力電圧は0[V]であり、これは入力端子間【反転入力端子(-)と非反転入力端子(+)】は同電位とみなして計算できる、というものです。

(2)入力インピーダンス∞
上記の(1)と相反するのですが、理想的な演算増幅器においては、

 入力インピーダンス=∞[Ω]

となります。つまり、入力端子間【反転入力端子(-)と非反転入力端子(+)】に電流は流れません。

(3)出力インピーダンスが0である。

上記の(1)~(3)の理想的な演算増幅器に関する前提知識が必要になります。


【計算】

1、Vo[V]を求めます。

1-1、20[kΩ]に流れる電流I20を求めます。

 電位を考えると、
 左側は0.5[V]
 右側は(1)仮想短絡より、0[V]です。

 よって、
 
  I20=0.5/(20*10^3)=2.5*10^-5[A]


1-2、100[kΩ]に流れる電流I100[A]を求めます。

 上記解説の(2)入力インピーダンス∞ よりI20と同じ電流がそのまま流れてきます。

 I100=I20=2.5*10^-5[A]


1-3、100[kΩ]右側の電位V1[V]を求めます。

 V1=0-(100*10^3*I100)
  =0-(100*10^3*2.5*10^-5)
  =-2.5[V]

1-4、30[kΩ]に流れる電流I30[A]を求めます。

 I30=(-2.5-0)/(30*10^3)
   =8.3*10-5[A]

1-5、90[kΩ]の右側の電位Vo[V]を求めます。

 Vo=-2.5+(30+90)*10^3*8.3*10^-5
  ≒7.5[V]

 よって、Voは7.5[V]になります。
 選択肢は、1番か5番に絞られます。


2、Avを求めます。

 Av=20log(Vo/Vi)[dB] より
  =20log(7.5/0.5)
  =20log15
  =20(log3+log5)
  =20{log3+log(10/2)}
  =20(log3+log10-log2)
  =20(0.477+1-0.301)
  ≒24[dB]

となります。
よって選択肢は5番が正解です。

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02

2つの反転増幅回路の電圧増幅度は
(-100/20)×(-90/30)=15
よって出力電圧は
Vo=0.5×15=7.5V
になります。

電圧利得は
Av=20log15
=20log(3×10÷2)
=20×(log3+log10-log2)
≒24[dB]
になります。

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03

反転入力増幅回路が2つありますので、1つに換算して考えていきます。

この場合、基本増幅度は、下記のようになります。

 

 V0=ー帰還抵抗÷入力抵抗×入力電圧

  =(-100/20)×(-90/30)×0.5

  =7.5[V]

 

次に、電圧利得は、下記のようになります。
 

 Av=20log10(7.5/0.5)

      =20log10(3×10÷2)
      =20(log103+log1010-log102)
      ≒24[dB]

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